「このゴミは収集できません~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~」という本を読みました。
マシンガンズというお笑いコンビの滝沢秀一という芸人さんが,お笑いと兼業でやっているゴミ収集について書いた本です。
こういう身近だけど内実はあまりよく分からない世界を知ることのできる本って大好きです。
話の運びも軽快で読みやすい。
ゴミからわかる生活実態とか本当にそのとおりです。
本書でも挙げられているように,警察もゴミとは縁が深く,私も警察官の時には現場等でゴミから手がかりをさがすこともあったり,そもそも現場がゴミ屋敷だったりいろいろありました。
中身もそうですし分別や捨て方などからも,ゴミというものはその人の個性がとてもよく出てきます。
この本でも書かれていますが,ゴミ集積場が汚いところはだいたい治安もよろしくないところが多いというのは本当です。
ゴミを減らそう
私がこの本で一番感銘を受けたのは,ゴミを減らそうということです。
著者の滝沢氏が言っていることはシンプルで
- リサイクルをしよう
- 必要な物だけを買おう,買ったら大切に使おう
- 生ゴミの水分を切ろう
ということであります。
シンプルではありますが,実際に現場で働いた上での言葉なので重みがあります。
私は生ゴミの水分がそんなに処理施設の負担になっていたとは知らなかったです。気をつけよう。
こうしたゴミについての細かな知識が得られるのもこの本の良いところです。
「すべて食べよう」もゴミについて考えさせられる良番組
話は少し変わるのですが,先日私はこういう番組を見ました。
「すべて食べよう」というカナダで作られたドキュメンタリー番組です。
ある夫婦がゴミ問題について考えるため,半年間廃棄されたものだけを食べて生活するという内容です。
ゴミを食って生きるのか?と思うかもしれませんが,そうではなくてまだ食べられるのに捨てられている未開封,未使用な食品を食べるのです。
そうはいってもゴミ箱をあさることには変わりなく,割と洗練された若い夫婦が夜な夜なゴミ箱を徘徊する様はかなりシュールです。
番組の結論としては,食べものに偏りが出ることがある(捨てられるときは一気に捨てられることが多いから)ものの十分に,むしろ十二分に生活できてました。
このことからもゴミとして消えていく食品は莫大な量にのぼるということが分かります。
特にこの番組で強調されていたのは,単に食べものがゴミになるのが無駄というだけではなく,食品を製造するためのエネルギーまでもが無駄になってしまうということでした。
その多大なエネルギーが,本来の目的である食品として消費されるのならまだしも,ゴミにしかならないのは無駄の極致だから考え直さないといけないんじゃないっていう。
まとめ
「すべて食べよう」はカナダの話ですが,日本についてもそれほど変わらないでしょう。
狂ったようにゴミが増えていっているのも分かります。
そりゃあ滝沢氏も言っているように処理施設が追いつかなくなるのも無理はありません。
私に出来ることは,滝沢氏の言われるように個人でもできる三つのことを実践するくらいしかありませんから,まずはそこから取り組んでいきたいと思いました。
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