不思議な作品です。
本作品はベトナム戦争を中心としたバトル+恋愛マンガです。
この作品では3つの世界が平行に流れていると感じます。
3つの世界を通じて物語が進んでいく
一つは現実世界。
我々が一般的な知識としてある悲惨なベトナム戦争。
そこにベトコン最強の少女であるヒロイン(お姫様)が登場して,なんだこれはという戦いパートの展開になる。(いい意味で)
かわいい容姿なのですが身体能力がハンパないのです。
戦場を縦横無尽に跳び回りアメリカ兵をどんどん殺していく。
そしてそこにもう一つの世界が。
それが主人公(?狂言回し?のヒカル)とお姫様の恋愛パート。
謎めいたお姫様
恋愛パートはほのぼのした感じなんですよ。
女の子と男の子が一目惚れして惹かれていくっていう。
でもその当事者の女の子はベトコン最強の少女で自分に向かってくる者には何のためらいもなく腕や首を落とす。
彼女はしゃべれないらしく,「ンクク」という不思議な笑い声しか発しません。
主人公に笑顔を向ける時も「ンクク」だし,米兵の首を落とす時も「ンクク」。
そのギャップが見てて面白いというか。
ハイパーインフレな戦闘パート
すごいといえば戦いのパートでは,ヒカルは完全に蚊帳の外。
その中心は,お姫様,お姫様の師匠であるばあさん,グリーンベレーのヤーボ大佐とティム,この4人です。
彼らの戦闘力はドラゴンボールなみにインフレを起こしていきます。
ミサイルに飛び乗ったり,ヘリからヘリへ飛び移ったり。
この作品のキャラクターはデフォルメされた可愛いらしい絵柄なのですが,中身はスプラッターです。
人のパーツが,内臓が,面白いように飛ぶ飛ぶ。
いろいろなギャップがあいまって,読み進めるにつれてだんだんおかしな感覚になっていきますね。
表紙の絵柄で本書を読んだ人はそのギャップに耐えられないかも。
ついに完結!
本作品は10年以上前から2度の休載を挟みながら続いているそうで,先日まで「TRUE END」が連載されていましたが,このたび完結しました。
やや力技なところもありましたがきれいにまとまりました。
結末は,当初から何度も繰り返されている冒頭シーンに基づくものですが,うまくまとめられています。
気になる方は最後までどうぞ。
ディエンビエンフー TRUE END(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
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