貧困とセックスワーカーについての著書が多い中村敦彦氏と鈴木大介氏による対談です。
日本の最底辺の現状を赤裸々に語っている本で,そういう世界と無縁な人が読むと「これホントか?」と思うようなことばかりです。
しかし私も仕事で貧乏な人をたくさん相手にしてきた感じでは,「確かにこんな感じかな」と思います。
今まではセックスワークは貧困層のセーフティネットワークだったけど,今はそこにすら入り込めない層が出てきている,というのが本書における最も大切なポイントの一つです。
しかし,内容的に思い込みなども多く,賛同できない面もあります。
例えば東京と地方の落差が激しすぎるとか,地方はみな貧困層だとか。
そりゃさすがに言い過ぎです。
地方をバカにするにもほどがある。
貧困に対する対策も法人税を増やすとかちょっと短絡的すぎるかなと。
とはいえそういうことがこの本に求められているわけではないのですが。
あくまで貧困層やセックスワーカーの現状を知ることができる点では良書であると思います。
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