予告編で「167の言語が話される人種のるつぼ」というのを見て面白そうだと思いました。
上映時間が189分もあるので,そういうさまざまな人々の姿を淡々と撮影していくドキュメンタリー作品なのかと思っていたのですが,意外とそうでもなかったです。
LGBTと中南米,特にメキシコの人がやたらと多い気がします。
ジャクソンハイツの人種別人口がどれくらいなのかよく分からないのでなんとも言えないのですが,167言語の割にはこれだけしか出てこないの?という感じ。
クイーンズ区の統計を調べるとヒスパニック系とアジア系がかなり多いことは分かったのですが,アジア系はあんまり出てこなかったし。
特に東アジアなんてまったく出てないんじゃないでしょうか。
作中でハングルの看板とかはちょいちょい出ていたので住んではいるんだと思うんですが。
少なくともLGBTよりは多いだろって思う。
そうかといってそういったこの映画で取り上げられた人々について,その主張なりをもっとフォーカスしていくのかと思ったら意外とそうでもない。
そこはやたらと平板な印象です。
悪く言えばダラダラと流す感じで退屈。
メキシコから越境してきたオバチャンの話をノーカットで聞かされたり。
そういう体験を語る会ならいいんですけど,映画のワンシーンでやるのはどうよ?って思います。
せっかく3時間以上使うのだったら,あんまり主張とか入れずにそこへ住むたくさんの人々をただ写していくだけでよかったんじゃないかなあと感じました。
それこそがジャクソンハイツの矜持なのではないかと思いますし,そうした方がその町がどんなところか,町がどのように変化して言っているのか,町の人は何を望んでいるのかなどがよく分かると思うんですけどね。
うがった見方かもしれませんが,この映画にも見られるようなこうしたマイノリティに対する扱いの偏りが,トランプ大統領の誕生など,これまで無視されてきたマジョリティからの反発につながる一因ではないかと感じました。
この辺は華氏119でも取り上げられているので,見てない人は見たらよいですよ。
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