この本は被差別部落出身の筆者が,日本各地の被差別部落を旅するという内容です。
差別は解消されつつあるけどしぶとい
この本を読んで一番印象的だったのは,地域によってはほとんど差別はなくなっているということ。
都市部にこの傾向が強いようです。
そのような地域では,被差別部落出身であることを告白しても「それで?」って言われるくらいだそう。
そこまで解消されている地域もあるのだと驚きました。
しかし逆の意味で印象的だったのは一部の地域では差別はまだ根強く残っているということ。
田舎にその傾向があり,今でも全力で結婚に反対されるレベルだそう。
ああやっぱり・・・と思ってしまいます。
世代交代が進めば・・・
本書によると,若い世代になるにつれ差別は希薄になっていっているそう。
私の周りを見ても,確かに被差別部落を気にしているのはほぼ高齢世代で,若い世代では話題にも上らなくなっているように感じます。
もう少し世代交代が進めば,やっとこれらの差別はなくなるのだと思うと感慨深いですね。
同和教育はクソ
私は被差別部落といえば同和教育を思い出します。
私の通っていた小学校,そういうのがけっこう盛んでした。
江戸時代の身分制度もよくわかってない小学生にいきなり「被差別部落を差別してはいけない」とかって教えるのですからどうかしてます。
逆に中途半端に被差別部落のことを知るから,差別意識が芽生えるだけです。
教えるんなら歴史の流れから説明しないと訳が分からなくなりますよね。
小学校の歴史や道徳の授業の多くは,そういったものばかりで,「差別はいけない差別はいけない・・・」とお題目のように唱えるばかりで超絶つまらなかったです。
あと被差別部落ではないですが,朝鮮学校の人たちと交流会をやったりよく分からない活動が多かったです。
そういう教職員の多い学校だったんですね。
こんなことばっかりやってたら逆に差別意識を生むだけだろうと,小学生だった自分でも小学生なりに感じて,感想文にそれらしいことを書いたら,放課後につるし上げられたことは懐かしい思い出です。
「あぶらかす」「さいぼし」は美味い!
話が飛ぶのですが,被差別部落特有の食べ物は美味しいですよね。
広島でも閉店したくりはらや福本とかおいしいですからねえ。
本書でも出てくる「あぶらかす」「さいぼし」を私の周りでは「せんじがら」「馬肉」と呼んでます。
ちょこちょこ食べ物の話も出てくるのですがそういう下りを読んでいるとまた食べたくなってしまいます。
まとめ
現在の被差別部落の状況を知るのによい本だと思います。
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