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「洗骨」を見て宗教的儀式について考えた

人が亡くなったら4年後にその骨を洗って清めるという風習を通じて家族のあり方を描いた作品です。
家族が亡くなってある程度気持ちに区切りがついた4年後にもう一度故人と対面するこの洗骨という風習は沖縄でも廃れつつあるものなのだそうです。

洗骨 - Wikipedia

この映画ではその儀式を執り行う中で,それまでの家族のわだかまりが少しずつほどけていく様子が描かれています。
作りはちょっと荒っぽいですが,いろいろと考えさせられるところがありました。

洗骨は故人の骨を洗うと同時にそれと向き合う自分自身も洗っていく,という作中のセリフが印象的でした。
つまりこういった宗教行事というのは故人のためではなく,遺された者のためであると。
故人を偲ぶ人たちが集まること,それは洗骨でなくても法事でもなんでもいいから遺された人たちが共有できる儀式を執り行うこと,それによって遺された人たちの気持ちが整理されていくこと。
そうして先祖と自分のつながり,ひいては命のつながりを再認識するということが大切なのだということがこの作品のテーマです。

文章にするとそんなことは当たり前のことのようですが,この作品を見ていて自分も今までこういう宗教的行事の意味がよく分かっていなかったことに気付かされました。
法事とか大嫌いでしたが,これを見て少し考えを改めました。
そういう意味でよい映画だったと思います。

初監督作でこの出来はすごいと思います。
次作にも期待したいです。

https://senkotsu-movie.com/

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