「希望の灯り」~フォークリフト万歳

寄り添う映画
公式サイトから

いい映画でした。
すべてにおいて完成度が高い。
話としてはコミュ障な青年が少しずつ成長していくものです。
青年の周りもみんな問題を抱えているけれど,少しずつ前に進んでいっている。
地味ですがいい話です。

映像と音楽

この作品で特にインパクトが大きいのが,映像と音楽,それらの組み合わせです。
この映画の舞台はコストコのような大型スーパーマーケットで,通路内をフォークリフトが縦横無尽に走り回るようなところなのですが,このフォークリフトの動く様子がとても美しいのです。
フォークリフトが美しいとか何言ってんだと思われるでしょうが,映像とクラシック音楽の効果で美しいとしかいいようがない。
楽譜の上を音符が流れていくような感じといいましょうか,バレエでダンサーが華麗に舞っているといいましょうか,フォークリフトだからこの美しさが出せたといってもいいくらいです。
フォークリフト+クラシックのシーンは2か所ありますが,ここだけでも見てもらいたいくらいです。私はもう一度見たい。

本作の主人公クリスティアンはコミュ障気味なのであんまりしゃべりません。
ですから言葉ではなく映像で語るシーンが多い。
そして実際に雄弁に語らせています。
ドンと真っ正面から撮ったり,ここから?みたいな角度から撮ったり。
印象的なシーンがたくさんあります。

フォークリフト

フォークリフトはこの美しさだけではなく本作の鍵でもあります。
クリスティアンとその周りの人々をつないでいくのに,このフォークリフトの果たす役割がとても大きい。
クリスティアンの成長は,フォークリフトへの習熟度とイコールです。
フォークリフトを自在に操れるようになるにつれて彼には自信が生まれ始め,次第に言葉も増えていきます。
その様子が実に心地よいです。

ラストシーンも「フォークリフトからここまで引き出す?」って感じです。
フォークリフトってこんなにすごいマシンだったんだと感心しました。
みんな見た方がいいと思う超オススメ映画です。

映画「希望の灯り」
1989年ベルリンの壁崩壊、1990年東西再統一。置き去りにされた人達の哀しみを、スーパーマーケットの灯りが優しく包む。慎ましく幸せな物語/原題:In den Gängen/英題:In the Aisles

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