「バシュランギおじさんと,小さな迷子」を見ました。
信心深いヒンドゥー教徒のインド人青年が,迷子になったパキスタン人少女を家まで送り返すという物語。
パキスタン少女は生まれつきしゃべることができず,それを治す願掛けをするためにインドへ行った帰りにインド国内で迷子になるという設定です。
インドとパキスタンの仲の悪さというのは,一般人レベルでもかなりのもののようで日本と韓国どころの話ではありません。
そういった対立や宗教の違いなどをいかに乗り越えていくかというのがこの映画の主な起伏となっています。
ストーリーはありきたりなのだけど・・・
ここまで書けばだいたいどんな展開になるかは分かるのではないでしょうか。
つまりストーリー的にはそれほど驚くような展開があるわけではありません。
しかし,観客を映画の中に引きずり込もうとする力がすごい。
強引とか力づくと言ってもいいほどです。
以前見た「ダンガル」もそうだったんですが,ストーリーは平凡ながらもエンターテイメントとしての作り上げがすさまじく,非常にエネルギッシュで嫌でも引き込まれるような作りです。
スクリーンからあふれ出るエネルギーに今回も圧倒されました。
音楽の使い方が上手い
今回の作品で特に上手いなあと思うのが音楽の使い方。
音楽と共に乗せられてしまう。
極めつけが作中に何度かあるミュージカルシーン。
唐突にミュージカルシーンが始まるので最初はなんだこりゃって感じなのですが,直にグイグイと引き込まれていきます。
ミュージカルシーンごとに,だんだんと映画と同化していくような感覚に陥ります。
最後にはしっかりと感動させられてしまいます。
周りでは泣いている人もチラホラ。
本当に面白いです。すごい。
もっとインドのことを学びたいと思うようになる
ただ普段インドになじみがないので,細かいところでどうしても分かりにくいところもあります。
最初に挙げたインドとパキスタンの関係にしてもそうですし,現在のインドでのヒンドゥー教の立ち位置とかヒンドゥー教とイスラム教の関係とか。クリケットとか。
ある程度のことは分かっていたつもりでしたが,その辺のもう少し肌感覚的なところが分かっていれば,さらに面白いのかなと思います。
もっとこれらのことを勉強してみようと思いました。
しかし知らなくても十分楽しめます。
あまり上映されてないみたいなので,近くでやってた場合はぜひ見た方がいいです。
特にミュージカルシーンなどが見もののこの映画は映画館で見た方がいいと思います。
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