山中城~芸術的な作りを現代でも堪能できる究極の山城

旅行その他
堀の幅が広いところは本当に障子のようになっています。

山中城は後北条氏が築いた山城です。

静岡から箱根峠を上がる途中にそびえており,北条氏の領地へ侵略するものをここではばもうとする意思が強くみてとれます。

有名な城なのですが私は最近まで知りませんでした。

戦国の軍隊

知ったのは,この本

を読んだことからです。

この本は,戦国時代の軍隊とはどのようなものだったかについて,従来の歴史的な視点からだけではなく,軍事的な視点を多く取り入れて書かれた画期的な本です。

この本の導入にこの山中城攻めのことが紹介されています。

この城は豊臣秀吉による小田原攻めの際,わずか半日で落城しました。

半日での落城ですから砦程度の小競り合いかと思われるかもしれませんが,実際は大規模な山城にかなり強引な強襲をかけたもので,その戦いはかなり熾烈なものでした。

渡辺勘兵衛の戦いぶり

この本では特にこの戦いの中で,豊臣方の渡辺勘兵衛という一介の武士の視点を取り上げています。

彼はそれほど名のある武将というわけではありませんでしたが,数々の戦国大名の家を渡り歩いて江戸時代まで生き抜いたザ・戦国武将みたいな人物です。

彼は後日この山中城攻めの時の様子を覚書にして書き残しています。

それがこの本で紹介されているのですが,それが実に面白い。

 

はっきりいって無茶でしょみたいな単独行動,突撃を繰り返して本丸まで侵入しています。

こういった一見無茶に思える単独行動が本書における戦国の軍隊を読み解く上での大切なテーマの一つにもなってくるのですが,その一方で私は彼の躍動感,臨場感に魅せられました。

彼がしゃにむに突撃した城は実際どのようなものだったのだろうかとても気になりました。

いつか行きたいと思っていて,今回ようやく行ったというところです。

現在の様子

現在城跡は公園として整備されています。

また,江戸時代の街道整備などにより,三の丸付近などは破壊もされています。

しかし,有名な障子堀などを実際に見ることのできる数少ない史跡です。

箱根峠要塞!

私は城の外周をほぼ一周しましたが,広いです。

2時間かかりました。

一周して,この城が東海道に重点が置かれているのがよく分かりました。

見晴らしのよいところからはいずれも西方向から侵入するものを的確に把握することができます。

最先端のすり鉢曲輪から。街道から三島市方面までよく見通しがききます。

そして本丸などの主要な郭と,後から作られた岱崎出丸により街道は包み込まれていて,どうにかしてここで敵を殲滅しようという意図もよく分かります。

なるほど,究極の山城という言葉に嘘はないなと感じました。

見どころはやはり堀

特に印象に残ったのはやはり堀です。

障子堀は芸術的だとすら思えます。

中のはしごで深さがある程度分かるかと思いますが,けっこう深い。

堀の幅が広いところは本当に障子のようになっています。

こんなんが郭の周りを全部取り囲んでいるんですから。

よくこんなの攻める気になるなと思います。

下でウゴモゴしている間に上から鉄砲玉や矢やら飛んできますから。

しかも当時はこのように芝は生えておらず土むき出しで,逆茂木(トゲ代わりにする木)などがあったりしてさらに劣悪な環境だったのでしょう。

 

ちょうど岱崎出丸で整備中の堀があったのですが

土むき出しの様子を幸運にも見ることができました。

これ登れって言われたらなかなかつらいです。

 

こんな堀を,かの渡辺勘兵衛は鉄砲玉が雨あられと降る中突っ込んでいったんだなあと思うと,改めて戦国武将ってすごいというか,現代とは生命観が全く違っていたんだろうなと感じました。

だってまともに考えたら死ぬっすよ。

現に勘兵衛は運良く生き残りましたが,勘兵衛と同じく突撃した周りの武将は数多く戦死していますし。

「死んだら死んだとき」くらいの気分じゃないとこんな要塞とても単独で突撃できないです。

その他

この城の守備に当たっていた松田康長,間宮康俊はいずれも戦死しています。

北条方だけではなく,豊臣方も一柳直末をはじめとして戦死者が多く出ています。

彼らの墓が元々三の丸だった場所にある宗閑寺にあります。

まさに強者どもが夢の跡という感じで趣があります。

山中城を訪れた際はぜひここにも参拝を。

まとめ

やっぱりすごいですねー。

来た価値はありました。

近くにあるスカイウォークはアホっぽい人がたくさんいて大変混雑していましたが,この史跡には人も少なくて好きなだけ究極の山城を堪能できてステキです。

 

優れた城というのはどれも美しいですね。

長篠城とか月山富田城とか姫路城とか。

この城も例外に漏れずとても美しいと感じました。

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