さまざまなジャンルでデジタル化等が進み聞けないものが増えていっている昨今,私のオススメなのが簡易無線です。
簡易無線のどこが面白い??
簡易無線なんてどこが面白いの??って思われるかもしれません。
私も通話内容自体が面白いものはあんまりないと思います。
どうでもいい無駄話を延々とする局もあり,そんなのでスキャンが止まると嫌になります。
また,デジ簡登録局にはアマチュア無線まがいの運用をする局もいて,やはり話が長くスキャンが止まるのでそれも鬱陶しいです。
そんな中でも面白いと思うのは
意外な使用者がいること
使用者の特定
です。
意外な使用者
聞いていると意外な人が使っています。
自衛隊とか消防とか宗教団体とか鉄道会社とか道路管理者とか。
あとイベント会場とかで使われる警備無線や運営者の無線も簡易無線を使うことが多いです。
イベントの動向や裏事情などが分かる貴重な無線です。
表じゃ言えないようなことも流れたりするのも面白いですね。
どうやって特定する?
聞いたことのある人は分かると思うのですが,簡易無線でコールサインをきちんと使っている局はあんまりありません。
なので聞いても誰が使っているのかすぐには分かりません。
まず,トーンスケルチ(とかDCSとかUC,以下トーンスケルチ等といいます)を調べます。
これが分かれば受信し始めた段階で目的の局かどうかわかるからです。
トーンスケルチ等が分かればそれを使って同一チャンネルの他の通話を排除します。
そうして丹念に聞いているとヒントになる言葉がいくつか出てくるので,そういう言葉を集めます。
その辺で業種はだいたいわかるはずなので,次はキーワードからどの業者かを推測して絞り込みます。
で,現地に行って確認するなど裏を取ると。
この過程が一番好きですね。
ただ,逆にいったん特定したら急に冷めてしまうことが多いです。
特定手段の例
最近の例ですが,以下のような感じで特定しています。
ネットも利用して調べることがほとんどです。
あるホテルの場合
- 内容からしてホテルっぽい
- 部屋番号が1210とか出てくるので,建物は12階建てで各階の部屋は10部屋っぽい
ことと信号の強さから推測される地域を絞ってネットでホテルを検索。
階数や部屋数を調べてると多分これだっていうホテルが出てくるので,最後は現地確認。
ある施設警備
- 施設警備っぽい
- 南北自由通路,ラーメン小路など変わった名前が出てくる
それっぽい施設を検索してみて,そういう名前の場所があるかどうかで特定。
あるイベント
- 18kmコースなど出てくるのでランニング?
- アプリを使っているみたい
ということから当日の地元イベントを調べたらウォーキング大会であることが判明。
CloseCall
受信対象の近くまで行ってCloseCallを使うのも手です。
通話頻度が高い場合これが一番手っ取り早いです。
逆に通話頻度が少ない場合この手は使いにくいですね。
なんで簡易無線?一般業務無線や特小は?
今まで書いたようなことは一般業務無線や特小でも当てはまります。
しかし,違う点があります。
まず一般業務無線は総務省に免許情報が公開されているので調べたら割とすぐ分かるんですね。
そこからトーンスケルチ等を調べるのも,それはそれでまた面白いのですが,使用者の特定という意味では面白みに欠けます。
簡易無線も公開はされているのですが,周波数が固定されていないことも多いです。
特に最近のものだとアナデジ含めて400MHz全部使えるようになっていたりしますからあんまり参考にならないです。
また,350MHzのデジタル簡易はレンタルもあるので余計に役に立ちません。
逆に言えばそれだけ調べがいがあるともいえます。
特小もチャンネルが固定されていないため調べがいがあるといえばあるのですが,10mWですから直近まで行かないと受信できないのが面倒です。
レピータ使っている場合はある程度飛んでいるのですが,この周波数帯はクレーン作業で使われることが多くスキャンがすぐに止まるのであんまり好きじゃないです。
まとめ
SIGINT道自体,アマチュア無線などの正統な(?)無線趣味からすると歪んだ趣味ですが,この簡易無線を愛でるというのはまたその中でもさらに歪んだ性癖かもしれません。
地味だし。
でも意外と面白いです。
というかこれがなくなると多分SIGINT道を辞めてしまいそうです。
まあ音声として聞こえないものを受信して分析するというさらに歪んだ性癖もありますから,まだかわいい方じゃないかと思います・・・
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現在周波数情報を新サイトに移行中です。こちらもぜひ訪ねていただければと思います。
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