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「見仏記」を読んだ~仏像好きもそうじゃない人も読めばきっと仏像を見たくなる,はず。

仏像ってどうですか。

私は好きです。いつの間にか好きになりました。

 

元々私は日本史好きなので,史跡や寺社などを回るのが好きでした。

寺に行くとついでに仏像を見ることになります。

あまたの仏像の中に時折,はっと目を見張るようなものに出会うことがあります。

そういう出会いを幾度か続けていくにつれてだんだんと好きになってきました。

 

決定的に好きになったのは,数年前に訪問した奈良国立博物館のなら仏像館です。

たまたま訪れたのですが圧倒されました。

仏像しかありませんが,オーソドックスなものから一般的にイメージされている仏像像?を覆すようなつくりのものもたくさんあり,本当に見ていて飽きません。

私が好きなのは法隆寺の侍者坐像とか男女神像とか伽藍神立像(走り大黒)とかです。

どれも仏様じゃなくてキワモノ的なやつですが,私はこれらを何度見てもそのたびに新鮮さがあり,その場から離れたくなくなります。

 

話を戻します。

この「見仏記」はいとうせいこうとみうらじゅん両氏による,仏像マニアから見た仏像の魅力について書かれた本です。

二人とも美術や歴史の専門家ではありませんし,仏像以外の建築とか歴史的背景にはほとんど関心がありません。

興味の中心はその仏像が自分にとって魅力的であるかどうかというこの一点にかかっています。

その魅力的であるというのも美しいとかかっこいいとか,平たくいえば恋をしそうとか,ロボみたいでかっこいいかとかそういう極めて分かりやすい魅力のことです。

ミーハーと言えばミーハーです。

でもそういう視点だからこそ,やはり専門家ではない私にとっても親近感がありますし,なによりも本書からは両氏の仏像に対する愛情があふれんばかりです。

「あー,わかるわかる。」とか「なるほど,そういう見方をしますか。」などと思わず独りごちながらページをめくっていました。

 

中にはもちろん今まで全く知らなかった仏像もあり,今度ぜひ見に行ってみようと思うものも出てきます。

そういった意味で仏像が好きな人はもちろん,仏像の魅力がよくわからないという人でも,本書を読めばその魅力の一端を垣間見れますし,どんな仏像を見ればよいかのガイドブックにもなります。

シリーズでその7まで出ているようなので今後もチビチビ読んでいこうと思います。

 

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