PR

警察と臭い

その他

警察は臭いものを相手にすることが多いです。
けっこうエグい,汚い話が多いので,苦手な人は読まない方がいいかも。

酔っ払い

自分も酒飲みなので人のことは言えないのですが,仕事で酔っ払いを扱うときの彼ら彼女らの臭いがけっこう苦手でした。
明け方の繁華街の街全体に漂うすえたような酔っ払い臭はその中でも特に嫌いです。

保護しなきゃいけないような酔っ払いは全身ゲロまみれになってる人も多いですし,失禁脱糞してるのもいるので,そういう合わせ技があるとなおつらい。
後述しますが私はウンコとかゲロが一番苦手です。
暴れるようなやつだともう最悪です。
制圧するのに必死で服がゲロまみれ。

話がそれますが,吐くまではまだ分かるんですけど,脱糞するまでよく飲めるなあと思いませんか。
呆れるのを通り越して逆に感心してしまいます。

ホームレス的な臭い

ホームレスの人など風呂に入らない人たちの臭いもなかなかです。
真夏の狭い調室で取調べをしたりするのはなかなかの苦行です。
一度真夏に住居不定な人を逮捕して署に連れて帰ると,クーラーが壊れている部屋しか空いていないことがあったのですが,あの時は本当にしんどかった。

また被疑者を捕まえると指紋を採るのですが,その時に体重や(靴を脱いだ)足の大きさなんかも測ります。
この時も被疑者の指を持たないといけないですからすぐ脇に立たないといけないですし,足の大きさ測るときに至っては凝縮された足の臭いが鼻の数十センチ先にあります。
これが一番きついかも。

変死

腐乱

一番強烈といえばやっぱりこれです。
腐乱死体の臭いというのは一度覚えると二度と忘れることができない臭いです。
表現しづらいのですが,魚を10匹くらい腐らせたような感じでしょうか。

腐乱死体は見た目のインパクトも強いので,最初のころは本当に吐きそうになりながら仕事をしていました。
鼻に詰め物をしてみたり,さまざまな消臭剤を使ったりしましたが,ほぼ無意味です。
鼻に詰め物をすると逆に臭いが口から入ってくるような気がして余計に気持ちが悪くなりました。
消臭剤も消臭剤の臭いと腐乱臭が混合されて余計に気分が悪くなったり。

ただそのうちある程度は慣れてきました。
もちろん臭いのは臭いのですがなんとか我慢できるレベルといいましょうか。
歯とか傷とか接写するのに,ウジがうにょうにょしている死体の数センチ先まで近寄ったりすることもあるのですが,それにもなんとか耐えうるくらいにはなれます。

でも気を抜くとダメですね。
よくあるのが死体を現場から署へ搬送するときです。
その場からよっこらしょと死体を持ち上げるのですが,この時が一番強烈な臭いがするんですよ。
持ち上げた瞬間に背中側(仰向けの場合)と地面との間に今までたまりにたまっていた臭いが一気に発散されるといいましょうか。
これはまさに目がしみるようなレベルの臭いなので,この時ばかりは呼吸を止めるとかして意識的に回避しないとやられます。

そうは言っても個人差があるのでなんともいえません。
中には年数を経てもダメな人もいました。
逆にすぐ慣れる人もいるのでしょうし。

余談ですが普段の生活でも時折この臭いがしてくることがあります。
山でも町でも。
多分野良猫とかタヌキとかネズミとか小動物が死んで腐ったんだと思います。多分。

新鮮

腐乱じゃない新鮮?な死体でも独特の臭いがあります。
死んで数時間の死体でもこの臭いがしますし,腐るまでの間はずっとそうです。
これは本当になんと表現してよいか分からない臭いですが,共通して臭うので「死体の臭い」なんだと思います。

ほんのりした臭いで強烈な不快臭というわけではないのですが,私はこの臭いを死体からしかかいだことがないので,快くはないです。

その他

飛び降りや轢死体など外傷が激しいやつは血の臭いが主になりますし,焼死体は焦げた焼肉みたいな臭いがします。
水死体はコケの臭いがしますし,死に方によっていろんな臭いがあります。

ホームレス的な臭いがする人が死ぬと今まで言った臭いとの合わせ技でかなりの強敵になります。

強烈すぎて臭いが残る

これら変死の臭い,特に腐乱臭は全身にまとわりつくので,2日3日は臭いが取れないです。
とりあえずいくら注意しても服に腐敗汁の飛沫や臭いがついているので事案処理が終わったら可能な限り着替えます。
仕事が終わって家に帰ったら速攻で風呂に入るのですが,いくら風呂に入っても息を吸うとまだ臭う。

鼻毛に臭いが残ってるんだという人もいましたがどうなのでしょう。
確かに洗ってないところはそこくらいしかないので,臭いが残るということはそうなのかもしれません。

これもまた余談ですが,腐乱を通り越して白骨化した死体でも腐乱臭がします。
ちょっと茶色い部分が残ってるくらいのものでもけっこう臭います。
なんとなく白骨→臭わないというイメージがあったので,初めて白骨死体を検視したときは驚きでした。
それくらい臭いは強烈に残るということです。

一番きつかったもの

でも私が一番ダメだったのはウンコとかゲロの臭いですね。
死んじゃった人って脱糞してたり吐いたりしていることがよくあるのですが,検視の際にはそういう汚れをいったん取り除かないといけないので自分たちが拭きます。
これが最後まで慣れず,毎回吐きそうになってました。
他の臭いにはある程度慣れることができたのにこれは不思議です。

変死についてはこちらの記事もどうぞ

まとめ

このようにどれも強烈に臭いんですが,みんな人間,若しくは人間だったので最低限の礼儀は守らないといけません。
特に取り調べ相手がホームレスの場合に,臭いとか露骨に言ったら何にもしゃべらなくなる人だっていますし。
確かに臭いんですけど,そこはやはり配慮しないといけないです。

警察官になると部署にもよりますがこういう臭いを扱わなければならず,けっこうしんどい部分です。
警察官志望の人がこの文章を読んだら多分引くのでしょうけど,だいたいの人は慣れるので安心してください。
説得力ないですが。

最後までこんな臭い文章を読んでいただきありがとうございました。

コメント