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警察学校(初任科)とは

一人前の警察官になるまで

ノンキャリ警察官として各都道府県で採用されると,最初に警察学校に初任科生として入校しないといけません。
大卒採用(短期)は6か月,高卒採用(長期)は10か月ほど。
その初任科生活について書きます。

ただ私が初任科をやったのは15年以上前の話なので今とは違う部分もあると思います。
また県によってもけっこう違ったりするみたいなのであくまで参考に。

初任科の目的~合う人合わない人

学校とはいっても職業訓練をするところなので,かなり特異な環境です。
教えるのも警察官ですし,それまで警察官と余り接したことのなかった私は「こんな世界が世の中にあったんだ」とかなり当初は面食らいました。

警察の仕事は,上意下達な集団仕事が多い半分軍隊のような体育会系組織ですから,それに合うようにしないといけないです。
ですから入校期間中に,それまでのその人のカラを1回壊して新しく作り直すような作業を行います。
これはこれで意外と面白く,体育会系の部活をやっていた人なんかはそこまで違和感はないのではないかと思います。
逆にいえばそうでない人にとってはしんどいかも。

こういう組織への適合って,組織で仕事をするんだったらどこでもあるものではないでしょうか。
緩やかにやるか一気にやるかの違いだけで。
警察の場合,有無を言わさず急激に染められる感じ。
これに大いに疑問を感じられるのであれば,警察に就職するのは辞めた方がいいと思います。
学校でなんとか我慢できても,多分疑問はますます大きくなるだけだと思うので・・・

もう一つの警察学校の目的として個人的に思うのが不適格者の排除です。
一応試験で選抜されているはずなのですが,たまに「なんでこの人は警察に入ったんだろう?」と思うような人がいます。
素行や体力的なものとか決定的に集団になじめないとか。
警察官って初任科出たてのポンコツ巡査だろうがなんだろうが,いったん署に出ると拳銃持って外をウロウロしたり,強力な権限を使わないといけないので,こういう排除は仕方ないのかなと思います。
時間をかけて育てるという考え方もあるのかもしれませんが,拳銃を持たせるのが危なっかしいレベルは排除しないとまずいと思います。

そんな感じなので卒業までにどうしてもある程度は辞めていきます。
私の期も最初は50人と少しいたのですが,数人が辞めていきました。
やめる率は10%まではいかないですが,数%が辞めていく感じでしょうか。
逆に言えば入ってしまえば9割以上の卒業率で普通に卒業できるということでもあります。

初任科生の身分

警察カーストにおける最底辺です。
巡査ではありますが署にいる巡査とはまったくその身分は異なり,実質「巡査補」「巡査見習い」です。
ですから,教官や専科生はもちろん初任補修科(当時の初任総合科)で入ってくる生徒ですら神様です。

その他

県警察学校,管区警察学校,警察大学校の違い

まとめ~初任科生活のよいところ

初任科でよいところは同期ができるということでしょう。
6か月なり10か月なり,文字通り同じ釜の飯を食いながら一緒につらいことをするので,やはり一番心が許せる存在になります。
実際に現場で働き始めてからも同じ部署に同期がいると安心できます。
同期や教官と会うと未だに初任科時代の話で盛り上がります。
しかしもう一度初任科生活をするかと言われると死んでも嫌ではありますが。

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