警察官の射撃技術について

警察官の技術や能力

警察官の射撃技術について書きます。

警察官はけん銃射撃のエキスパート??

全然そんなことなくて,実際は当たらない人の方が多いです。

射撃訓練で的の中に弾が入ってない人なんていくらでもいます。

だって普段訓練してないんですから。

勤務中に常時けん銃を携行してる重点訓練者といわれる人でも年間15発程度しか撃たないんですよ。

そうじゃない人に至っては隔年。

そんなんで技量向上はおろか維持すらできるわけがないですよね。

しかも止まった的しか撃たないし。

 

そうかといって実弾を使わない空撃ち訓練(これでもやらないよりはかなりマシです)でもやってるのかと思えばそれすらやりません。

映像シミュレーションもありますが,これも一人一人がやれるようなものじゃなくて,何人かが代表でやってあとは見てるだけだし。

それ以前にこの映像シミュレーターってみんなの前で寸劇をやるというたいそう屈辱的なものなので,やり方を考えた方がいいと思います。

個室作るとか。

 

警察官が実際にけん銃を撃つ想定のほとんどは,刃物持ったやつがこっちに突進してくる等,距離も近くてほぼ止まった的みたいなものですから,こういう訓練現状なのかもしれません。

犬に弾を当てるのはすごいこと

しばらく前に犬を射殺するのに13発撃ったっていう事案がありましたが,私は13発かかろうがなんであろうが,人間よりも小さな「動く」的を撃ったという事実がすごいと思うのであります。

私がこの立場に立たされて当てられたかといえば全く自信がありません。

 

けん銃って思ったよりも繊細な道具で,けん銃を撃ったことのない一般人のイメージで引き金を引くと,まず「ガク引き」になって弾がとんでもない方向へ行くんですよね。

これはけん銃を撃ったことのある人なら大きく首肯してもらえるのではないかと思います。

 

なので,「闇夜に霜の降るように」引き金を引くのがとりあえずの当たるコツなのですが,そんなことを緊迫した現場でやっていたら刺されます。

なので,「急ぎつつ」「霜の降るように」引き金を引ければ当たるんですが,なかなかこれが難しいです。

私はそこそこ当たる方でしたが,些細なメンタル面が左右することも多く,今ひとつ安定しませんでした。

「早撃ち」っていう止まった複数の的を一定時間内に撃つっていうのがあるんですが,一定時間内っていうのがけっこうプレッシャーになって当たったり当たらなかったり。

ということは緊迫した現場で動く的に当てろと言っても,当たる可能性は低いということですよね,残念ながら。

 

ですから,人に向けて撃った場合も,急所を外して撃つなんてことは無理です。

私は現職中,もし撃つような事態になった場合は,被疑者の体の真ん中を狙うつもりでいました。

だってそれが一番当たる可能性が高いですからね。

 

教科書や頭の悪い四角四面な指導者は「足や手を狙え」と言っていましたが,真ん中ですら当たるかどうか危ういのにそんなんできるわけないですよね。

現実的な指導者は狙う箇所について「訓練ではあれだけど,実際もし撃つ場面になったらゴニョゴニョ・・・」とはっきりとは言いませんがまあそうしろとごまかしてました。そりゃそうなりますよね。

今でも発砲は現実的な話じゃないけど,現実はある日突然やってくる

時代が変わってきて警察官が現場で撃つことも増えてきましたが,それでもまだ発砲というのは実感のわきにくいことです。

私も15年間在職した中で,指令を受けて現場に行く途中に「ひょっとしたらけん銃を使うようなことになるかもしれない」と思うような事案すらほとんどありませんでしたし,実際には現場でけん銃をとりだしたこともありません。

今も今後も退職までけん銃を撃たない人の方が大多数でしょう。

 

そんな中で,全警察官が動く犬を一発で仕留められるようなレベルまで訓練するというのは,費用対効果の面で現実的ではないかもしれません。

しかしけん銃を使う事案は間違ったら人が死にますからね。

少なくとも今よりはもうちょっと訓練すべきなのではないかと思うのであります。

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