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警察といえば呼出し

警察の具体的な仕事

警察と切っても切り離せない嫌なことの一つ,呼出しについて書きます。
呼出しとは勤務時間外に急きょ出勤を命ぜられることです。召集ともいいます。
突発事案を扱う仕事なので避けては通れません。

どんな事案で呼出しがあるか

大きな事件が発生した

緊急配備がかかるような凶悪事件や死亡・重傷ひき逃げなどが発生するとだいたい召集がかかります。
この場合は刑事などの専務だけでなく,管轄署の人は部門を問わず呼ばれます。

人が足りない

逮捕事案やが立て続けに発生したりして処理する人間が足りなくなると召集がかかります。
この場合の召集は刑事や交通などの専務だけです。

ブロック応援

隣接署などで大きな事案が発生した場合,鑑識や強行が応援で行くことがあります。
あくまで応援で責任がないので,この呼出しは一番気楽でした。
これが自署管内だとうちひしがれた気分になっているところです。
やはり責任の有無というのは大きな違いです。

呼出しの多い部門,少ない部門

呼出しも部署によってまちまちで,全くないところもあります。
まず総警務部門はほとんど呼出しはありません。
生活安全部門や地域部門は少なめです。
警備部門は台風や地震など災害が発生した場合,交通は大きな事故や重傷ひき逃げなどがある場合に召集があります。
一番多いのは刑事部門でしょう。

刑事の中でも多いのは強行犯係,鑑識係,薬物係などが多いです。
他の係はそれほどでもないと思います。
私の経験でも呼出しが最も多かったのは鑑識をしていたときです。

署規模でも呼出しの回数が違う

小規模署が一番多い

署が小さくなればなるほどすぐにオーバーフローするのですぐ呼ばれます。

そもそも小規模署だと刑事事案を専門に担当する当直(刑事当直)がいないので,変死や火事,逮捕事案が発生したらそれだけで刑事課員が何人か呼ばれます。

中規模署は少し減る

中規模署になると刑事当直がいるので,変死や逮捕事案があっても1件目はセーフなのですが,連続発生するとアウトです。

また週末に火事や逮捕事案が発生した場合,発生直後は呼ばれないのですが翌日(休日)に現場見分や送致準備をしなくてはいけないので,翌日朝から来てねという呼出しがかかっていました。
これはまだ時間的余裕があって心の準備もできるので呼出しの中では比較的ダメージが少なかったです。

そんな状況なので小・中規模署だと刑事課長はなにかと招集されることが多くとても大変です。

大規模署は少ない

大規模署になると三交替の初捜係がいたので,変死や火事では招集はほとんどかかりません。
しかも初捜には班長として警部がいたので令状請求もできますから,課長すらあまり招集はありませんでした。

しかし大規模署だけあって事案数が多く,逮捕事案が続いたり,やばめな事案が発生するとさすがに招集がありました。

呼出しの何が嫌か

着信音の恐怖

私は警察からかかってくる電話は別の着信音にしていたのですが,それが鳴ると体がビクッとしてました。
あの鳴ったときの恐怖感というか「またか」というか,なんともいえない軽い絶望的な気分はなかなか他では味わえないものです。
電話を取るまでのわずかな間に「なんでかかってきたんだろう,どんな事案が発生したんだろう,早く帰れるといいけど」などと想像を巡らします。

まれに単なる問い合わせだけの時があって,その時は「こんなくだらないことで電話してくんなよ。」とかブツブツいいつつも,緊張から解き放たれた顔はほころんでいます。
でもだいたいはそのまま呼出しでガックシです。

今でもこのいや~な感じははっきりと覚えています。
本来休んでいる夜や休みの日に突然電話がかかってきて「今すぐ来い」と言われるのですから快いわけがないですよね。

私は元々電話があんまり好きではなかったのですが,警察での勤務を通じて電話が大嫌いになりました。
着信がある,ということ自体が嫌です。
少なくなったとはいえ今でも仕事の関係とかでたまに電話がかかってきますが本当に嫌ですね。

話が少しズレるのですが,そもそもたいして親しくもない上に緊急の用事でもないのに電話かけてきたがる人がいますが,アレってなんなのでしょう。
メールで十分な内容でも電話にしたがる。
本当に迷惑で理解に苦しみます。

睡眠時間や休みがなくなるけど・・・そのまんま

話を戻します。
夜中に呼出しがあった場合,当然睡眠時間が削られます。
休みの日の場合は休みがなくなります。

刑事というのは不思議なところで,このように時間外の呼出しがあったら代休を取ればいいのに,なぜかそういうことはほとんどしませんでした。
なので,例えば夜11時に呼ばれて朝5時に任務解除されても,そのまま朝から仕事ということが多かったです。

同様に,土曜日に火事があって日曜日に呼び出されて現場見分しても,その代休を取ることはほとんどありませんでした。
交通とか生安とかはうまく代休を利用していて柔軟性があったように感じます。
刑事は休みを取らない美徳みたいなのがまだ残っていたのかと思います。

シフト制の勤務にすれば呼出しも減るのに

不思議というか当たり前なのかもしれないのですが,平日より週末の方が事案の発生が多いです。
平日の日中は仕事していて暇だなーっていうこともあるのに,週末になると何か起こって招集を受ける。
なんなんだこれは?と思ってました。

ひどいときは1か月全部週末だけ呼出しがかかって休日がすべてつぶれたこともあります。
しかしこのときも平日は暇だったです,不思議と。

さっきもいいましたが,刑事は伝統墨守なところがあり,頑なに暦どおりに勤務しようとします。
刑事が暦どおりの勤務をしても仕方がないです。
シフト制にすればいいのになあと常々思っています。
どっちかというと夜,週末の発生が多いのでそれに合わせてシフト組めばいいのに,と思うのですが。
三交替にしてしまうと人が1/3になって逆に大変だと思いますから,朝から深夜までのシフト組んでそれにプラス刑事泊まりがいいと思うんですけどねえ。

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