職務質問について~すぐ終わるから協力して!

警察その他

職務質問といえば,警察が嫌われる活動の上位に入るのではないでしょうか。

確かにいきなり声かけられていろいろ聞かれたり調べられたりするのだからウザいですよね。

しかし職務質問が端緒になって捕まることも大変多く,捜査経済的にも税金に優しいので,嫌でしょうけど協力していただきたいです。

今回はそんな職務質問の話・・・

なんでこんなに声かける?

犯罪者とはいってもよっぽどアホじゃないと見た目では分かりません。当たり前ですね。

でも声かけて話していると違和感が出てくるのです。

なので,数を打つしかないです。

成功率としては数%くらいのものではないでしょうか。

職質の神さまみたいな人でも10%はいかないのでは?

なので犯罪者でもなんでもない善良な人にもどんどん声をかけていかないと捕まるものも捕まらないのです。

 

あとつまらないことなのですが,職質検挙のノルマもあります。

バカっぽい幹部がいると職質や照会の件数までノルマにしようとします。アホです。

確かにノルマにしないと職質しない警察官もいます。

私も実は職質が嫌いだったのであんまりしてませんでした。ごめんなさい。

任意だから拒否できる?

基本的に何もなければ短時間で終わります。

抵抗されたり拒否されるとどうしても商売柄「何か隠しているのかな」と疑ってしまい,徹底的に調べることになってしまったりするため長時間化します。

巷で噂されるように「任意だから拒否すればいい」と安易に拒否したら面倒くさくなるだけなのでやめたほうがいいです。

世の中には変わった趣味の人がいて,たまに職質を拒否することが趣味の異常者がいます。

何もないと分かったときのあの徒労感・・・

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最近出たイタイ判例

そんな中,地裁ですが先日こんな判例が。

 

で,こういったツイートがちらほら。

職務質問を額面どおりにとらえるとそのとおりなのですが,これが許されると実質職務質問ができなくなるんですよね。

だって何やってもトイレ行きたいっていえば逃げれますよーってことで。

人殺してても,現逮や緊逮の要件がなければ「トイレ行きたい!」って言って逃げられると。

シャブなど違法物件が小さいものなら証拠隠滅もできて一石二鳥です。

アホかって感じです。

根拠はどうなってる?

警察官の職務質問は主に警職法2条を根拠でやっていることが多いです。(場合によっては他の法律が根拠になることもあります)

第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
2 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

表面だけなでると,強制でなにかできるとはどこにも書いてないので任意の活動ということになります。

上記のようなツイートも弁護士先生方もそれをとらえて「任意だから・・・」の一点張りであることがほとんどです。

実務上の職質

しかし,その言葉を真に受けてやっていたら職務質問なんてやってられません。

実務上は判例などで,嫌疑性に応じてある程度の実力行使が認められていますので,それらを研究しつつギリギリの線で攻めているのが実情です。

こちらもそれ相応に研究したり技術を磨いているので,安易に拒否しても面倒くさくなるだけよと言ったのはそういうことです。

シャブ関はプロ

これは推測なのですが,この事件は覚取法で,被疑者はトイレ戦術を使って逃れようとしていることから,プロ犯罪者に近い存在と思われます。

三度の飯よりシャブが好きで,日夜警察から逃れるすべを仲間と情報交換しているようなやつらです。

なので,公衆の面前で排便をしたというのも,裁判でそこを争点にしてやろうという確信犯的なものを感じます。

 

特にこのトイレに行かせろ作戦は私が拝命したころはまだそれほどでもありませんでしたが,在職中に一気にポピュラーになった戦術です。

職質で捕まることの多いシャブ関たちも仲間同士で職質逃れの方法を日夜研究しており,これはそのうちの一つです。

他にも「3係の102は危ない(係やパトのコールサインまで見てます)」とか「この場所は職質されやすい」「新薬のこれなら捕まらない」とかよく情報を交換してらっしゃいます。

 

警察もそこまで暇でもないので,誰でも彼でもがんばってトイレに行かせないとかしません。

被職質者の嫌疑性はそれなりに高いはずです。

警察側にも問題が・・・

一方で警察官側に問題もあります。

特に自動車警ら隊の人。

これについてはまた別に書きますが,自らの人はなぜかシャブを捕まえるのが大好きです。

しかし捜査手続きに疎い人が多く,強引なことをする人もちらほらいます。

この辺は改善しないといけない部分だと思います。

この事件についてもそういう人が絡んでいる可能性はあります。

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まとめ

このように職質といっても善良な人々に対するものとプロ向けのものなものとではやり方は全く異なります。

プロ向けの職質でトイレ云々論じられるのはちょっとどうかと思うんですけどね。

しかし負けは負けなので控訴審に期待したいです。

最高裁でこれが確定したらけっこう大変なことになると思います。

 

私は思うのですが,警察官にカメラつけて職質状況を撮影すればいいと思うんですよね。

そうしないと特に今回のようなプロ犯罪者事案などは現場の状況が正確に把握できないと思います。

警察内部的にも無茶できなくなりますし。

年々厳しくなっているのは確かなので,アリだとは思うんですけどね。

ただ,そんなものを警察官につけたらますますがんじがらめになって精神的負担が大きくなるのも確かで,難しい問題ではあります。

コメント

  1. 疾風の悪魔 より:

    一度就活でスーツを着用しているときに職質に遭い受けましたが身分証を免許証しか認めない人にされました。目的を教えてもらえたのはよかったのですが免許証ばかりにとらわれていて、学生証と宿泊施設の予約票を見せてもしつこく「免許証は?」と聞かれました。スーツケースの中に混ざってると回答するとチッと舌打ちするかのように去っていきました。せっかく善意で協力して学生証まで示したのにあんな扱いか?と思いました。場所は都内北部です。
    質問 この場合苦情を所管に伝えるべきですか?

    • 山根 厚介 より:

      それは変な警察官に当たってしまいお気の毒です。
      なんでそんなに免許証にこだわっているのかは私もよく分かりません。
      他のもので身分確認ができるのならそれでいいと思うのですが。
      事実としてそのようなことがあり,組織にその思いを伝えたいのなら,苦情を訴えるのもアリだと思います。