警察官をやっていて嫌いになったものの一つに祭り,イベントがあります。
悪い思い出ばかり増えていくんです。
祭りがあると人がたくさん出てくるので,警察は雑踏警備体制を組みます。
ある程度大きな祭りに行くと,制服私服の警察官がウロウロしているのを見かけるかと思います。これがけっこう負担です。
雑踏警備の体制
日中の祭りの場合,三交替の人は日勤日(という名の公休日),日勤の人は代休振替または時間外で対応します。
夜間の祭りの場合,三交替の人は非番日,日勤の人は代休振替または時間外で対応します。
参考記事
雑踏警備が専門の人なんていないので,地域部門や刑事部門,交通部門などから人数を出して体制を組みます。
ですからみんなにとってこれはプラスアルファの業務で余計な仕事です。
代休とはいっても結局取れないことが多いですし,時間外はそもそもかなり削られていて本来の5割程度出れば御の字です。
つまり半分タダ働きです。
さらに署が小さいと全署員体制でやらないと人が足りない状況もあったりして地獄です。
かつていた署では町の規模の割には大きな花火大会が行われており,この花火大会は全署員体制で警備をしていました。
この場合,三交替公休日の人が最悪で,公休日の深夜まで仕事して翌朝から24時間勤務ですからね。割とヒマな署だからいいのかもしれませんがそれでもしんどいですよ。
なぜか管轄署だけで
現役時からすごく疑問だったのですが,こういうイベントごとはだいたいそのイベント地を管轄する署だけでやります。
本部には県警の1/3の人員が詰まっているのですから,こういうときに応援に行けばいいのにと思いますが,あんまり応援とかありません。
あっても微々たるものですし,本部の方々は楽なポジションであることが多いです。
ですからイベントが行われる署は全署員体制になるなど悲惨なことになるのですが,隣の署ではいつもと変わらない日々を過ごします。
つまり観光地が管轄で,その署規模が小さいと本当に悲惨なことになります。
逆に1年でほとんどイベントがない署というのもあり,なかなかの不公平感はあります。
意外と多い事件処理
また,雑踏警備をしていると意外と事案があります。
やはり群衆が増えるとアレな人もそれに応じて増えていきますから。
しかもパープーな人は祭り好きな人が多いので余計に事件が発生する可能性は高まります。
彼らは主に酒を飲んで泥棒とかケンカとかしてくれるので大変です。
あとスマホが普及してからは盗撮など変態系も必ず出現するようになりました。
こういう事案って任務解除の直前など絶妙なタイミングでなぜか発生することが多いです。
そうなるとそこから事件処理なのでプラス5時間コースとかで,泣きたくなります。
まとめ
そういうことが何度かあるともうダメですね。
世の中から祭りなんかなくなればいいと思うようになります。
休みの日も祭りには行かなくなります。
だって行ったら警察官がいるのですから全然楽しくないです。
視線もいつの間にか雑踏警備目線になってしまいますし。
そういう関係で警察官は祭りが嫌いな人が多いと思われます。
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