「女は二度決断する」は被害者遺族の心境などを考えることのできる良作

映画テレビその他

「女は二度決断する」を見ました。

無差別テロで夫と子供を失った女性の心理を描いた作品です。

どんな話?

捜査や公判でズタズタに

夫と一人息子とともに幸せに暮らす主人公カティヤは,突然のテロで家族を失い呆然とします。
しかし,そんな彼女に対して警察は容赦なく捜査を進めていきます。

カティヤ一家がトルコ系移民であり,過去に犯歴もあることから当初は被害者である夫にも疑いの目が向けられます。

幸い被疑者は逮捕されますが,公判がまた地獄。
証拠手続き上必要なこととはいえ,息子の解剖所見が朗読されたり,被告人の弁護士から容赦ない尋問をされるなどカティヤの心はズタズタに引き裂かれていきます。

結局あることが落とし穴となり,一審は無罪となってしまいます。
当然控訴審はあるのですが,カティヤは司法に頼ることをやめます。

無罪,そして彼女の選択は・・・

彼女が選んだ選択は,釈放された犯人を追い,彼らが作ったものと同じ爆弾を作り,キャンピングカーごと爆殺しようとするものです。

苦労の末に犯人たちを見つけ,車に爆弾を仕掛けて犯人が戻ってくるのを物陰で待つカティヤ。
目の前には美しい海が広がっています。
「自分は一体何をしているのだろう」,そんな表情を見せたカティヤは一度は実行をとりやめます。

宿に帰って家族の思い出を記録した動画に見入るカティヤ。
そして彼女は再び決断します。

それは犯人とともに自爆することでした。
なぜその決断に至ったのか。
ヒントはラストに流れる感動的な曲「I know places」にあるのではないかと思います。

考えさせられた点

彼女の居場所

彼女は復讐を遂げても自分の居場所はもうどこにもないと感じたのではないでしょうか。
家族が先へ行った天国にしか居場所はないと。
その一方で犯人たちはどうしても許せない。
だから自爆という選択になったのかと感じました。

司法の限界

司法の限界という点でも考えさせられました。
常識的に考えれば法治国家で自救行為は許されません。
法律による刑罰を期待すべきでしょう。

しかし,彼女が捜査や公判で受けた苦しみはなんなのでしょう。
被害者遺族なのにそれは受け入れなければならないものなのでしょうか。
しかもその苦痛を受け入れて頑張った結果が無罪。

控訴審も当然ありますが,そんなものでこれ以上傷つきたくない,しかも傷ついた挙げ句また無罪だったら・・・というのが彼女の心境だったのではないでしょうか。

自分も警察やっていたんで自救行為がいいとは決して言えませんが,一方で彼女の感情も理解できます。

弁護士・・・

それにしても被疑者の権利は守られなければなりませんし,弁護士もそれが商売なので仕方ないのでしょうが,映画を見ていて本当に弁護士ってロクな商売じゃないなと感じました。

女優さん

主演のカティヤを演じたダイアン・クルーガーさんいいですね。
このカティヤ一家は素行的にはあまりいい家ではないのですが,その小汚さがよく表現されています。
虚無的に薬物や煙草を吸うシーンが印象的です。

いろんなことを考えさせられるいい映画でした。

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