アイコムのデジタルレシーバーIC-R30をオススメする理由(18/12/13ちょっと追記)

無線

ICOMのデジタル受信機IC-R30を買って半年が経ちましたが,とてもよいレシーバーです。

デジタルレシーバーとしては,デジタル簡易無線と報道あたりが聞ける程度なのですが,2波同時受信ができたり,スキャンが激早だったり,録音がそこそこ優秀だったり,Bluetooth接続できたり細かなところまでかなり配慮されており,非常に使いやすいです。

AR-DV1やAR-DV10とはいろんな意味で対照的です。

そういった良いところ悪いところを書き出していきます。

なお,このIC-R30は2018年9月のアップデートで驚異的な進化を遂げていますのでこちらの記事もぜひ参照してください。

いいところ

デジ簡など一部のデジタル無線を受信できる

デジタル無線の一部が受信できます。

デジタル簡易,報道連絡波(NHK除く)

が受信可能です。

ただし,報道連絡波は秘話コードを入れないとダメです。

AR-DV1のような秘話コードの解析機能はありません。

また,AR-DV1で受信できている

FSKタクシー,DMR使用の業務無線,NHK,国交省K-λ

は受信できません。

そもそもIC-R30にはDMRがないんですね。なんで?

また,AR-DV1でも復調できない警察や消防やJRなど多くのデジタル無線はIC-R30でも受信できません。

(以下18/10/17加筆)

本四高速についても受信可能です。

これについても秘話コードの入力が必要です。

AR-DV1の場合は常時スケルチが開いていてスキャンができないのですが,IC-R30は本四高速でもスキャンできます。すごい!

ただし,ちょくちょくスケルチが閉じなくなってスキャンが再開しなくなることがあります。

手送りしてやれば復活するのですが,無音なので気付かないこともあり若干難ありです。

DCRのユーザーコードをメモリ登録し選択受信ができる(18/11/16追記)

これ,私がIC-R30を買った決め手です。

AR-DV1だとこれができないんですよね。

デジ簡ってけっこう混んでいます。

受信したい局がいるチャンネルに限って,「せーの」とか「スラー」とかフリラーが長々としゃべりだしてスキャンが止まるので困っていました。

IC-R30のようにメモリにUCが登録できると余計な通話は無視できてとても快適。

(18/11/16追記)

UC的逆トーン機能,最近すごくこれが欲しいと思います。

UCが一致する場合のみスルーしてくれる機能のことです。

この機能があれば,聞きたくない局だけ排除することが出来ます。

耳障りなフリラーとも,フリラーがUCを設定してくれれば共存できるのではないかと考えます。

AR-DV1で受信できない一部のDCR局を受信できる

AR-DV1だと

秘話+個別呼出

設定になっているものが,コードを一致させても受信できないんですね。

しかしIC-R30だとこれが難なく受信できます。

意外とこの設定にしている局は多いので,これがきちんと受信できるっていうのはかなり有利な点です。

スキャンが爆速

スキャンがメチャクチャ速いです。

BCD436HPも速いですが,それよりも速いです。

これならエアバンド用などアナログ用途でも十二分に使えます。

スキャンはBCD436HPより速いのでこっちを使った方がいいかもしれないです。

一時スキップ機能がいい!

BCD436HPに搭載されていて地味ながら絶大な威力を発する機能がなんとIC-R30にも!

ノイズって場所や時間などによる一時的なものが多いですよね。

また,フリラーとか「スラー」とかどうでもいいことを延々しゃべるやつが出てきたらスキップしたいじゃないですか。

スキップ自体はどこの受信機でもできるのですが,困るのはスキップしたことを忘れること。

しかし,一時スキップなら一定時間後に復帰してくれます。

当初は制限が多くイマイチだったのですが,ファームウェアアップデートでさらにブラッシュアップされて使えるようになりました。

詳細はこちら。

メモリバンクが柔軟

メモリバンクの構成が柔軟で最大100バンクグループ,1グループに最大100チャンネル入ります。

この最大というところがミソで,1バンクグループに1チャンネルだけでもいいし,100チャンネルまで自由にいけます。

最大100チャンネルはちょっと少ないかなと最初は思ったんですが,グループを細かく組めば十分です。

バンクリンクも設定画面からバンク名を見ながら設定できるので楽です。

BCD436HPのようにメモリバンク一覧を作らなくてもすみます。

2波同時受信

2波同時受信できるので爆速受信機が2台あるのと同じことになります。

ただ惜しむらくはデジタルが2波同時に受信できないということ。

これはかなり残念です。

GPSロガーが意外と便利

買った当初はGPSロガーなんかいらんだろって思っていましたが,使ってみると意外と便利です。

特に移動しながら録音をして,後で聞き返すときに,どこでそれを受信したのかが分かります。

特にデジ簡や特小などを特定する際には,どこで受信できたのかがより細かくわかった方がよいですから。

ログデータはGoogleEarthで普通にインポートできるので便利です。

やり方は下記記事を参照。

また,BCD436HPのようにGPSに基づいてスキャンする機能もあり,工夫次第では面白い使い方ができるかなと思います。

スタンド充電器

オプションじゃなくて最初からスタンド充電器があるのっていいですね。

また,スタンドを使わなくてもUSB接続で充電できるのがいいです。

デジ簡機のIC-DPR30はこれがダメで外出時にスタンドがかさばって邪魔になっていたんですが,この点IC-R30はサイコーです。

ちなみに家ではスタンドに差しっぱなしにして動かしています。

デジタルの音質がよい

個人的な好みかもしれませんが,AR-DV1よりデジタルの音質がいいように感じます。

AR-DV1はアナログをあまり使う気がしませんが,IC-R30はアナログの音質もやや固いですがよいです。

ただ,AMの音質が固く,弱い信号などを長時間聞くと耳につらいなあと感じます。

(18/6/28加筆)

ラジオライフ2018年8月号によるとAMよりもAM-Nの方がいいかも,とのことだったので私も試してみたところ,確かにこちらの方がよいと感じました。

AMだとノイズがシャリシャリと高い感じなのですがそれが柔らかに。

気分の問題かもしれませんが。

鉄道無線用のキャンセラーがある

JRのA/Bタイプ無線や関東私鉄は空線信号が出ているためキャンセラーがないとストレスなく受信できないですよね。

私が常用しているもう1つの愛機,BCD436HPはアメリカ製なのでもちろんそんな機能はありません。

しかし,IC-R30にはいずれも対応できます。

A/Bタイプも東海地方くらいでしか使われなくなりましたが,それらの地域に行くときには大いに助かります。

これらはAR-DV1にもない機能ですよね。

 

逆にIC-R30は音声反転秘話の解読機能がありません。

AR-DV1にはあります。

これもそれほど使われてはいないのですが,たまに使っている人がいるのであるに越したことはない機能の一つなんですよね。

消防署活系なんかも最近導入されたものは音声反転秘話がかかっていると聞きますし。

イヤホンやスマホとBluetooth接続できる(18/12/13追記)

IC-DPR30にこの機能が搭載されていて気に入っていたのですが,IC-R30でも使えます。

ちょっとイマイチなのはICOMヘッドセットしかカスタマイズキーを設定できないことですが,スマホからリモコン操作ができるようになったので,どうでもよくなりました。

よくないところ,改善して欲しいところ

デジタル受信時にスキャンがいつの間にか止まってる

デジタルを受信していて秘話コードが合わないものを受信しているとき,スキャンが止まります。

コードが合っていないのですから音声は出ません。

つまりスキャンが止まっていることに気付きません。

(とりあえず対策 18/6/28加筆)

ラジオライフ2018年8月号によれば,秘話コードを設定しないチャンネルについても秘話コードを何かしら設定しておけばスキャンが止まった際にケロケロ音がするそうです。

もちろん秘話がかかっていないものは普通に音声が出ます。

コロンブスの卵的な発想で,読むまでまったく思いつきませんでした。

しかしどうせIC-R30では秘話コードの解析ができないのですから,秘話コードが合わないものについてはスルーされるように改善してもらえるとよいのですが。

肝心な周波数で内部発振が

デュアルバンドにした状態のBバンドでスキャンをすると,351.22500でスキャンが止まります。

Aバンドを使えばいいのかもしれませんが,AバンドはローVHFなど可用周波数が広いのでアナログとして使いたい。

せっかくのデジタル受信機で,現状はほぼデジ簡専用機なのですから主要な周波数ではそういうことが起こらないようにした方がいいのでは・・・

また,145.00でも内部発振があります。

私はアマチュア無線受信してないんでいいんですが,このような主要な周波数でそれが発生するのはちょっとどうかなと思いますよね。

たまにデジタルが受信できなくなる→改善された?(18/12/13追記)

たまにいつの間にかデジタルが受信できなくなっています。

えらい静かだなーと思っていると受信不可に。

この状態に入ると,デジタル信号を受信してモニターを押しても「ザー」だけでまったく復調しません。

パーシャルリセットすると復活します。

なぜかオールリセットではダメです。

いつの間にか発生しているのでたちが悪いです。

どうもCS-R30につないだあとでこの現象がよく発生する気がします。

確証はありませんが。

(2018/9/6追記)

PCにつないでPCからIC-R30内のデータ(録音データとか)を消したらこの症状が出るのではないかと思います。IC-R30の操作で消すようにしたら症状が出なくなりました。

(2018/12/13追記)

最近はまったくこの症状が出なくなりました。

ver.1.10になったときに直ったのかも。

録音機能の使い勝手があまりよくない

IC-R30の録音はすごいという前評判でしたが,そんなにすごいですか?

確かにAR-DV1に比べると格段の差がありますが,Unidenのような使い勝手を想像していただけに期待を裏切られました。

一番困るのは,再生したときにUCやグループ・チャンネル番号,メモリーネームなどが一切表示されず,時間や周波数しか出てこないこと。

デジタル受信履歴のCSVデータと突き合わせれば一応確認はできますがけっこう面倒です。

またアナログで,ある周波数についてCTCSSありとなしを両方メモリー登録していた場合,どちらで受信したのか分かりません。

グループ・チャンネル番号が表示されればなんとかなるので,そこだけでもなんとか改修して欲しいです。

できればUCの表示も・・・

 

そういった点で見れば,録音機能についてはUniden機が最高です。

受信した画面をそのまま再生できるのですから。(正確にはSメーターなどは表示されませんが)

一方でIC-R30の方がいいなと思うところもあります。

それは細かいことなんですが録音した秒数が表示されることです。

BCD436HPの場合,何秒録音したか表示されないんですね。

無音が続いてもう終わりかな?って思った後に再生されることがしばしばあり,IC-R30のように録音秒数が表示されると,リズムよく飛ばせるのでその点はいいと思います。

 

最近は録音データの確認方法を変えたのでこれらの欠点はある程度気にならなくなりました。

NXDNのRANコードが記録されない

前述しましたがIC-R30ではデジタル受信履歴というのを記録することができます。

これには受信した日次や周波数のほか,UCやRANコードが記録されます。

しかし,報道連絡波や本四高速を受信しても,RANコードが記録されないです。

正確に言えばそれらはNXDNではなく,B54規格やT102規格だからそうなるのかもしれません。

それとも私の設定が何か悪いのかも。

これも地味に不便なのでなんとかしてもらいたいです。

CTCSSがすぐにわからない

受信しただけではCTCSSやDCSがわかりません。

いまだにトーンスキャンが必要です。

これもUniden機やAR-DV1(AR-DV1はやや片手落ちではありますが)は瞬時に表示できるので,最近の受信機はすべてできるのだと思っていただけに残念。

これができるようになればBCD436HPがほぼ不要になって,アナログ機としても最強になるのですが。実に惜しい。

アナログで不正な受信がけっこう多い

アナログで不正な受信が多い気がします。

スキャンかけているとしょっちゅう止まるので不便です。

仕方がないので私はアナログのチャンネルの多くにVSC(ボイススケルチ)をかけています。

この状態ならスキャンが止まることはほとんどありません。

ただ,これを使うと通話があるときでも無視してしまうことがけっこうあるので痛し痒しです。

デジタルオートモードがない

AR-DV1で当たり前のように使っていたデジタルオートモードがないんですね。

デジタルオートモードがあれば,海自の450MHz連絡波のようにアナログとP25とT98が混在しているところでも,オートにしておけば自動判別してくれていたんですが,IC-R30の場合は3パターンでメモリ登録しないといけないです。

スキャンが爆速なので十分カバーできる範囲ではあるのですが,少々面倒ですね。

ボリュームボタンが分かりにくい

ボリュームボタンが分かりにくいです。

ボリュームボタンの上下についているモニターボタンや電源ボタンと間違えやすいです。

盛り上がらせるとかして形状を変えた方がよかったのではと思います。

メモリー編集ソフトが高い

高いです。

高いのはまだ許せるとしても,いまだにパッケージ販売なのはどうかと思います。

せめてダウンロード販売にしましょうよ。

ほぼ必須なので,いっそのこと最初からセットにしてくれればよいのに…

秘話解読できない

これについてはICOMさんには永遠に無理なんでしょうね・・・

その他

バッテリーの持ちについて

バックライト点灯状態でデュアルバンドで両バンドスキャンを走らせた状態でカタログ値どおりの8時間30分もちました。

まとめ

悪いところもけっこう挙げましたが,IC-R30はとても優秀な受信機です。

この受信機はアナログハンディレシーバー+DCR受信機(+民放連絡波受信機)としてとらえるのが一番良いかと。

デジタルレシーバーのみとして考えたらAORの方に軍配が上がりますね。

ただし,アナログも含めた受信機として考えるとIC-R30の方が優秀です。

今のところ私は,まず秘話解読をAR-DV1でやって,判明したものはIC-R30にメモリして受信するってやり方で使っています。

ちょうどお互いがお互いの欠点を補い合っているのでAR-DV1またはAR-DV10とIC-R30の2台があると最強ですよ。

私は今回CQオームで買いました。

おまけで液晶保護シートがついてきたのでよかったですよ。

CQオームさんも高額商品をクレジット対応にしてくれるともっと使いよいのですが・・・

コメント

  1. 神戸のおっさん より:

    昨夜、神戸淡路鳴門道にて、
    トラック炎上で通行止めと言う
    絶好の機会がありましたので、
    デジタル化後、初受信してみました。

    恐らく、垂水区内の基地局と
    思われますが、この一波で
    深夜3時頃まで頻繁に交信が有りました。

    周波数 399.11875
    ENCR 8212
    DSQL 5

    確認できたコールサイン
    神戸管制室
    防災本部
    本四102,107,109
    本四110,119,120
    本四162

    あと、宜しければ
    バスワードの再申請をお願いします。

    • 山根 厚介 より:

      本四高速はなかなか交信が少ないですよね。
      アナログの時よりさらに減ってしまったように感じます。

  2. JS2BDS.xlsx より:

    AMで不正受信が多いのは、最近のICOM固定機の傾向かもしれません。

    IC-R30でもIC-R8600もそうですし、アマチュア無線機のIC-7100でAMを含んだメモリバンクをスキャンしても、AMのメモリに頻繁にストップしてしまい、結果透けるとを深めに設定せざるを得ず、受信機として使い物になりません。

    傾向なのか、不具合なのか、設定なのかはわかりませんが、IC-7100の件(AM不正受信とは別件)でアイコムのサポートに質問したら、割と鼻で笑うような口調で対応されたので、あまりいい印象はありません。

    • 山根 厚介 より:

      不正受信が多いとせっかくの高速スキャンを活かせないので残念ですよね。
      スケルチ深くしたりVSCやATTかけたのでは意味がないように思いますし。

  3. くま より:

    今回のファームアップは嬉しいですね。UHFエアバンドのスキャン設定が普通に出来ること、
    バックライトの改善が特に嬉しいです。
    RS-R30が使いたいです。私はアンドロイド。アンドロイド版早くリリースして欲しいです。
    飛行機の中での受信で使うのが楽しみです。

    • 山根 厚介 より:

      私も現役で使っているのはAndroidなので早くAndroidバージョンがほしいです。