アイコムのデジタルレシーバーIC-R30をオススメする理由(19/2/19ちょっと追記)

IC-R30

ICOMのデジタル受信機IC-R30を買って半年が経ちましたが,とてもよいレシーバーです。

デジタルレシーバーとしては,デジタル簡易無線と報道あたりが聞ける程度なのですが,2波同時受信ができたり,スキャンが激早だったり,録音がそこそこ優秀だったり,Bluetooth接続できたり細かなところまでかなり配慮されており,非常に使いやすいです。
AR-DV1やAR-DV10とはいろんな意味で対照的です。

そういった良いところ悪いところをレビューしていきます。

なお,このIC-R30は2018年9月のアップデートで驚異的な進化を遂げていますのでこちらの記事もぜひ参照してください。

いいところ

デジ簡など一部のデジタル無線を受信できる

デジタル無線の一部が受信できます。

  • デジタル簡易無線
  • 報道連絡波(NHK除く)

が受信可能です。
ただし,報道連絡波は秘話コードをきちんと入れないとダメです。
AR-DV1のような秘話コードの解析機能はありません。

また,AR-DV1で受信できている

  • FSKタクシー
  • DMR使用の業務無線
  • 報道連絡波(NHK)
  • 国交省K-λ

は受信できません。
そもそもIC-R30にはDMRがないんですね。なんで?

また,AR-DV1でも復調できない警察や消防やJRなど多くのデジタル無線はIC-R30でも受信できません。

(以下18/10/17加筆)

本四高速についても受信可能です。
これについても秘話コードの入力が必要です。

AR-DV1の場合は常時スケルチが開いていてスキャンができないのですが,IC-R30は本四高速でもスキャンできます。すごい!
ただし,ちょくちょくスケルチが閉じなくなってスキャンが再開しなくなることがあります。
手送りしてやれば復活するのですが,無音で気付かないこともあり若干難ありです。

DCRのユーザーコードをメモリ登録し選択受信ができる

これ,私がIC-R30を買った決め手です。
AR-DV1だとこれができないんですよね。

デジ簡ってけっこう混んでいます。
受信したい局がいるチャンネルに限って,「せーの」とか「スラー」とかフリラーが長々としゃべりだしてスキャンが止まるので困っていました。
IC-R30のようにメモリにUCが登録できると余計な通話は無視できてとても快適。

それに関連して最近,UCで逆トーン的な機能がすごく欲しいです。
UCが一致する場合のみスルーしてくれる機能のことです。
この機能があれば,聞きたくない局だけ排除することが出来ます。
耳障りなフリラーとも,フリラーがUCを設定してくれれば共存できるのではないかと考えます。

AR-DV1で受信できない一部のDCR局を受信できる

AR-DV1だと

   秘話+個別呼出

設定になっているものが,コードを一致させても受信できないんですね。
しかしIC-R30だとこれが難なく受信できます。
意外とこの設定にしている局は多いので,これがきちんと受信できるっていうのはかなり有利な点です。

スキャンが爆速

スキャンがメチャクチャ速いです。
BCD436HPも速いですが,それよりも速いです。
これならエアバンド用などアナログ用途でも十二分に使えます。
スキャンはBCD436HPより速いのでこっちを使った方がいいかもしれないです。

一時スキップ機能がいい!

BCD436HPに搭載されていて地味ながら絶大な威力を発する機能がなんとIC-R30にも!

ノイズって場所や時間などによる一時的なものが多いですよね。
また,フリラーとか「スラー」とかどうでもいいことを延々しゃべるやつが出てきたらスキップしたいじゃないですか。

スキップ自体はどの受信機でもできるのですが,困るのはスキップしたことを忘れることです。
しかし,一時スキップなら一定時間後に復帰してくれます。

当初は制限が多くイマイチだったのですが,ファームウェアアップデートでさらにブラッシュアップされて使えるようになりました。詳細はこちら。

メモリバンクが柔軟

メモリバンクの構成が柔軟で最大100バンクグループ,1グループに最大100チャンネル入ります。
この「最大」というところがミソで,1バンクグループに1チャンネルだけでもいいし,100チャンネルまで自由にいけます。
最大100チャンネルはちょっと少ないかなと最初は思ったんですが,グループを細かく組めば十分です。
バンクリンクも設定画面からバンク名を見ながら設定できるので楽です。
BCD436HPのようにメモリバンク一覧を作らなくてもすみます。

2波同時受信

2波同時受信できるので爆速受信機が2台あるのと同じことになります。
ただ惜しむらくはデジタルが2波同時に受信できないということ。
これができるとさらに強力なのですが。

A/Bバンドの感度比較はこちら

GPSロガーが意外と便利

買った当初はGPSロガーなんかいらんだろって思っていましたが,使ってみると意外と便利です。
特に移動しながら録音をして,後で聞き返すときに,どこでそれを受信したのかが分かります。
特にデジ簡や特小などを特定する際には,どこで受信できたのかがより細かくわかった方がよいですから。

ログデータはGoogleEarthで普通にインポートできるので便利です。
やり方は下記記事を参照。

また,BCD436HPのようにGPSに基づいてスキャンする機能もあり,工夫次第では面白い使い方ができるかもしれません。やってないですけど。

スタンド充電器

オプションじゃなくて最初からスタンド充電器があるのっていいですね。
また,スタンドを使わなくてもUSB接続で充電できるのがいいです。

例えばデジ簡機のIC-DPR30はこれがダメで外出時にスタンドがかさばって邪魔になっていたんですが,この点IC-R30はサイコーです。
ちなみに家ではスタンドに差しっぱなしにして動かしています。

デジタルの音質がよい

個人的な好みかもしれませんが,AR-DV1よりデジタルの音質がいいように感じます。
ただ,アナログについてはAMの音質が固く,弱い信号などを長時間聞くと耳につらいなあと感じます。

ラジオライフ2018年8月号によるとAMよりもAM-Nの方がいいかも,とのことだったので私も試してみたところ,聞きやすくなる感じもしますがやはり長時間弱い信号が続くと耳がつらいです。

鉄道無線用のキャンセラーがある

JRのA/Bタイプ無線や関東私鉄は空線信号が出ているためキャンセラーがないとストレスなく受信できないですよね。
私が常用しているもう1つの愛機,BCD436HPはアメリカ製なのでもちろんそんな機能はありません。
しかし,IC-R30にはいずれも対応できます。

A/Bタイプの列車無線も東海地方くらいでしか使われなくなりましたが,それらの地域に行くときには大いに助かります。
これらはAR-DV1にもない機能ですよね。

逆にIC-R30は音声反転秘話の解読機能がありません。
AR-DV1にはあります。
これもたまに使っている人がいるので,できたら欲しい機能の一つなんですよね。
消防署活系なんかも最近導入されたものは音声反転秘話がかかっていると聞きますし。

イヤホンやスマホとBluetooth接続できる

IC-DPR30にこの機能が搭載されていて気に入っていたのですが,IC-R30でも使えます。

ちょっとイマイチなのはICOMヘッドセットしかカスタマイズキーを設定できないことでしたが,スマホからリモコン操作ができるようになったので,解決状態になりました。

よくないところ,改善して欲しいところ

デジタル受信時にスキャンがいつの間にか止まってる

デジタルを受信していて秘話コードが合わないものを受信しているとき,スキャンが止まります。
コードが合っていないのですから音声は出ません。
つまりスキャンが止まっていることに気付きません。

(対策法 18/6/28加筆)

ラジオライフ2018年8月号によれば,秘話コードを設定しないチャンネルについても秘話コードを何かしら設定しておけばスキャンが止まった際にケロケロ音がするそうです。
もちろん秘話がかかっていないものは普通に音声が出ます。
コロンブスの卵的な発想で,読むまでまったく思いつきませんでした。

しかしどうせIC-R30では秘話コードの解析ができないのですから,秘話コードが合わないものについてはスルーされるように改善してもらえるとなおよいのですが。

肝心な周波数で内部発振が

デュアルバンドにした状態のBバンドでスキャンをすると,351.22500でスキャンが止まります。
Aバンドを使えばいいのかもしれませんが,AバンドはローVHFなど可用周波数が広いのでアナログとして使いたい。
せっかくのデジタル受信機で,現状はほぼデジ簡専用機なのですから主要な周波数ではそういうことが起こらないようにした方がいいのでは・・・

また,145.00でも内部発振があります。
私はアマチュア無線受信してないんでいいんですが,このような主要な周波数でそれが発生するのはちょっとどうかなと思いますよね。

たまにデジタルが受信できなくなる→改善された?(18/12/13追記)

たまにいつの間にかデジタルが受信できなくなっています。
えらい静かだなーと思っていると受信不可に。
この状態に入ると,デジタル信号を受信してモニターを押しても「ザー」だけでまったく復調しません。
パーシャルリセットすると復活します。
なぜかオールリセットではダメです。

いつの間にか発生しているのでたちが悪いです。
どうもCS-R30につないだあとでこの現象がよく発生する気がします。確証はありませんが。

(2018/12/13追記)

最近はまったくこの症状が出なくなりました。ver.1.10になったときに直ったのかも。

録音機能の使い勝手があまりよくない(19/2/19追記)

IC-R30の録音はすごいという前評判でしたが,そんなにすごいですか?
確かにAR-DV1に比べると格段の差がありますが,Unidenのような使い勝手を想像していただけに期待を裏切られました。

一番困るのは,再生したときにUCやグループ・チャンネル番号,メモリーネームなどが一切表示されず,時間や周波数しか出てこないこと。
デジタル受信履歴のCSVデータと突き合わせれば一応確認はできますがけっこう面倒です。

(解決策 19/2/19追記)

最近は録音データはSuperTagEditorを使っており,こちらならUCも表示されるので特に不便さは感じられなくなりました。

相変わらず困るのはアナログで,ある周波数についてCTCSSありとなしを両方メモリー登録していた場合,どちらで受信したのか分からないことくらい。

むしろBCD436HPはSuperTagEditorと相性が悪いので,逆に不便さを感じるようになりました。
サーチしたものは周波数が記録されてないなど。
BCD436HPは受信機単体で確認するときは,受信した画面そのまんまを再現してくれるからいいんですけどね。

NXDNのRANコードが記録されない

前述しましたがIC-R30ではデジタル受信履歴というのを記録することができます。
これには受信した日次や周波数のほか,UCやRANコードが記録されます。
しかし,報道連絡波や本四高速を受信しても,RANコードが記録されないです。
正確に言えばそれらはNXDNではなく,B54規格やT102規格だからそうなるのかもしれません。それとも私の設定が何か悪いのかも。
これも地味に不便なのでできればなんとかしてもらいたいです。

CTCSSがすぐにわからない

受信しただけではCTCSSやDCSがわかりません。
いまだにトーンスキャンが必要です。
これもUniden機やAR-DV1(AR-DV1はやや片手落ちではありますが)は瞬時に表示できるので,最近の受信機はすべてできるのだと思っていただけに残念。

これができるようになればBCD436HPがほぼ不要になって,アナログ機としても最強になるので是非搭載して欲しいです。

アナログで不正な受信がけっこう多い(19/2/19追記)

アナログで不正な受信が多い気がします。
スキャンかけているとしょっちゅう止まるので不便です。

仕方がないので私はアナログのチャンネルの多くにVSC(ボイススケルチ)をかけています。
この状態ならスキャンが止まることはほとんどありません。
ただ,これを使うと通話があるときでも無視してしまうことがけっこうあるので痛し痒しです。

特に強い局の周波数×2でちょいちょい引っかかります。
私はUHF航空無線をよく聞くのですが,VHF航空無線とかVHF簡易無線に強いのがいるとよく引っかかってます。
あくまでハンディ機なんで仕方ないというかそこまで求める方が酷な気もします。

デジタルオートモードがない

AR-DV1で当たり前のように使っていたデジタルオートモードがないんですね。

デジタルオートモードがあれば,海自の450MHz連絡波のようにアナログとP25とT98が混在しているところでも,オートにしておけば自動判別してくれていたんですが,IC-R30の場合は3パターンでメモリ登録しないといけないです。

スキャンが爆速なので十分カバーできる範囲ではあるのですが,少々面倒ですね。

ボリュームボタンが分かりにくい

ボリュームボタンが分かりにくいです。
ボリュームボタンの上下についているモニターボタンや電源ボタンと間違えやすいです。
盛り上がらせるとかして形状を変えた方がよかったのではと思います。

メモリー編集ソフトが高い

高いです。
高いのはまだ許せるとしても,いまだにパッケージ販売なのはどうかと思います。
せめてダウンロード販売にしましょうよ。
ほぼ必須なので,いっそのこと最初からセットにしてくれればよいのに…

秘話解読できない

これについてはICOMさんには永遠に無理なんでしょうね・・・

その他

バッテリーの持ちについて

バックライト点灯状態でデュアルバンドで両バンドスキャンを走らせた状態でカタログ値どおりの8時間30分もちました。

まとめ

悪いところもけっこう挙げましたが,IC-R30はとても優秀な受信機です。
この受信機はアナログハンディレシーバー+DCR受信機(+民放連絡波受信機)としてとらえるのが一番良いかと。
デジタルレシーバーのみとして考えたらAORの方に軍配が上がりますね。
ただし,アナログも含めた受信機として考えるとIC-R30の方が優秀です。

今のところ私は,まず秘話解読をAR-DV1でやって,判明したものはIC-R30にメモリして受信するってやり方で使っています。
ちょうどお互いがお互いの欠点を補い合っているのでAR-DV1またはAR-DV10とIC-R30の2台があると最強ですよ。

コメント

  1. 神戸のおっさん より:

    昨夜、神戸淡路鳴門道にて、
    トラック炎上で通行止めと言う
    絶好の機会がありましたので、
    デジタル化後、初受信してみました。

    恐らく、垂水区内の基地局と
    思われますが、この一波で
    深夜3時頃まで頻繁に交信が有りました。

    周波数 399.11875
    ENCR 8212
    DSQL 5

    確認できたコールサイン
    神戸管制室
    防災本部
    本四102,107,109
    本四110,119,120
    本四162

    あと、宜しければ
    バスワードの再申請をお願いします。

    • 山根 厚介 より:

      本四高速はなかなか交信が少ないですよね。
      アナログの時よりさらに減ってしまったように感じます。

  2. JS2BDS.xlsx より:

    AMで不正受信が多いのは、最近のICOM固定機の傾向かもしれません。

    IC-R30でもIC-R8600もそうですし、アマチュア無線機のIC-7100でAMを含んだメモリバンクをスキャンしても、AMのメモリに頻繁にストップしてしまい、結果透けるとを深めに設定せざるを得ず、受信機として使い物になりません。

    傾向なのか、不具合なのか、設定なのかはわかりませんが、IC-7100の件(AM不正受信とは別件)でアイコムのサポートに質問したら、割と鼻で笑うような口調で対応されたので、あまりいい印象はありません。

    • 山根 厚介 より:

      不正受信が多いとせっかくの高速スキャンを活かせないので残念ですよね。
      スケルチ深くしたりVSCやATTかけたのでは意味がないように思いますし。

  3. くま より:

    今回のファームアップは嬉しいですね。UHFエアバンドのスキャン設定が普通に出来ること、
    バックライトの改善が特に嬉しいです。
    RS-R30が使いたいです。私はアンドロイド。アンドロイド版早くリリースして欲しいです。
    飛行機の中での受信で使うのが楽しみです。

    • 山根 厚介 より:

      私も現役で使っているのはAndroidなので早くAndroidバージョンがほしいです。