UnidenのデジタルスキャナーBCD436HPの素晴らしさをまとめてみた(19/8/31ちょっと追記)

BCD436HP

Unidenという会社があります。
元々日本の会社ですが日本では電話機とかを売っていますが,北米では受信機(スキャナー)も売っています。
日本では受信機は売ってません。

そんなUnidenが販売しているBCD436HPは,一部のデジタル無線も受信できたり,アナログについても国産機にはないよさがたくさんあります。
特によいところは

  • DMRが受信できるところ
  • P25やDMRがトランキングで受信できるところ
  • CTCSSやDCSが瞬時に分かるところ
  • 近くで無線を使っていると周波数が分かるCloseCall

です。
それらを紹介していきます。

メリット

TemporaryAvoidがすごい!

BCD436HPで一番すごいのはこの機能です。
国産受信機でいうところのパス/スキップ機能です。

BCD436HPではTemporaryAvoidとPermanentAvoidの2種類があります。
国産受信機でいうところのパスはPermanentAvoidにあたります。

一方のTemporaryAvoidは電源を切るまでの一時的な間のみパスできます。

だいたいスキャンとかサーチが止まるところって時間とともに変わってくるんですよね。
特に移動中はそれが顕著です。

ですから国産受信機のパス機能だと1回パスしたらずっとパスされたままだから本来受信されるべき周波数までパスしてしまうことがあります。
その点,BCD436HPのTemporaryAvoidだと,電源を切ったらパスしたものも元のパスされていない状態に戻るため,そのへんを気にしないですみます。

(18/9/25追記)

逆にいえば,一定時間おきに電源を入切しないといけないのが若干面倒です。
また後述するように録音されているかどうかが分かりにくく,電源を入れ直した際は録音も再度設定しないといけないため忘れてしまうことがけっこうあります。

その点国産IC-R30の一時スキップ機能は,回復の条件をもう少し細かく指定できるので便利です。
BCD436HPみたいに電源オフまでとか5分経過したらとか。

Closecallもすごい!

直近の強力な電波をつかまえて受信する機能です。
これがかなり使えます。

自宅の固定アンテナで使うと直上上空を飛行中の航空機からの電波がよく引っかかります。
直上とはいってもこのあたりだと3000mから10000mの高さを飛んでることが多いので,感度はよいといえます。
ですから目で見える範囲で無線を使っている場合,ほぼ反応してくれます。

イベント会場などで未知の周波数を調べる時には絶大な威力を発揮します。
これも国産受信機で似たような機能があるものはあるのですが,ここまで実用性のあるものはありません。

独特のメモリバンク~慣れたらけっこう便利だけど不便なところも(18/11/16ちょっと追記)

BCD436HPというのは国産受信機でいうメモリとは概念が少し違います。
1バンク○チャンネルとかではなしに,バンクにチャンネル制限はありません。
実質無制限です。

BCD436HPのメモリは

System-Department-Channel-実際のチャンネル

という階層構造になっています。

で,それぞれにQuickKeyという番号を割り当てることができて,例えば

System-Department-Channel

内容 広島-簡易無線-VHF
QuickKey 00-01-02

内容 広島-簡易無線-UHF
QuickKey 00-01-03

と番号を割り当てた場合,スキャン中に00を押せば

広島以下

がスキャン対象外になります。
この状態でもう1回00を押せば再度スキャン対象になります。

00.01を押すと

広島-簡易無線

以下がスキャン対象になります。

00.01.02まで押すと

簡易無線VHFのみ

が対象になります。

このようによく使うチャンネルはQuickKeyに割り当てておけば,すぐに割り当てたり外したりできるという。

国産受信機でいうところのバンクリンクがすばやくできると思ってもらえばいいかと。

ただ,これらをすべて把握しきれなくなるのが難点です。
一応最初に0を押した時点で1ケタ目が0番台のSystemが現在スキャン対象になっているかどうか表示されるのですが(00から09までが分かるということ),

数字が表示されているのがスキャン対象,*がスキャンから外れていることを示します。

肝心のその数字は一体どういうSystemなのかがわからない。

このボタンを押す過程でSystemなどの名前が表示されるといいんですが。
ていうか私が見つけられていないだけかもしれません。
もし知っている人がいたら教えてください。

仕方がないので私は一覧表をExcelで作ってDropboxにアップして,分からなくなったらそれを見るようにしています。

(19/8/31追記)
またスキャンの回り方が独特で, 1つのSystem内のDepartmentをすべて回ってから次のSystemにいくのかと思いきやそうではなくて,あるSystemのDepartmentを1つだけスキャンすると,そのSystemの次のDepartmentではなくて,次のSystemに飛びます。
それぞれのSystemのDepartmentを一つずつ回って元のSystemに戻ると,ようやく次のDepartmentをまた回るという感じだと思います。
なので ダイヤルをグリグリ回して目的のチャンネルに持っていくのがなかなか面倒です。

図にするとこんな感じです。
左から右にスキャンが流れていくイメージです。

System00010200010200
Department00000001010103

CTCSS,DCSを一発判別

トーンスケルチやDCSを使っていた場合,ほぼ一瞬で判別できます。

国内でこれができるのってKENWOODの無線機しかできませんよね。
だいたい他のメーカーはトーンスケルチサーチとか別モードに入らなくてはならず,しかもそれがクソ遅いので使いものになりません。

チャンネルごとにボリュームが微調整できる

これもいい機能ですよ。
無線局によって変調の浅い深いがあると思いますが,BCD436HPのVolumeOffsetを使えば少々は吸収できます。

ただ,私がこの機能を真に使いたいのはAR-DV1やIC-R30のデジタルモードなんですよね。
人によって音量差がありすぎるので,メモリ毎に微調整できたらいいなあと思います。

ディレイタイムも微調整できる

国産受信機だとディレイタイムって全チャンネル一律じゃないですか。
BCD436HPだとこれも各チャンネル毎に変えられます。

AlertLight

これを設定しておけば受信した時に指定したパターンで光ります。

パターンは

Blue,Red,Magenta,Green,Cyan,Yellow
On(点灯しっぱなし),FastBlink(速く点滅),SlowBlink(ゆっくり点滅)

の18通りから選べます。

赤で早く点滅とかはかなり目立つので,聞き逃したくないチャンネルに設定していくと便利です。

優秀な録音機能~録音した状況をそのまま再現できる

優秀です。
受信したときの画面をそのまま再生できます。

↑これ再生画面ですが,このように受信したそのまんまが表示されます。
ただ残念なのは,受信した時間をそのまま表示できないということとSメーター(アンテナマーク)が表示されないこと。

(19/8/31追記)
しかし最近は録音したデータはSuperTagEditorで確認しています。
BCD436HP本体で確認した場合,時間順にしか並ばないので最初からずっと聞くしかないのですが,SuperTagEditorの場合並び替えもできますし,録音時間が短いものはハナから無視できたりするので圧倒的に早い。
ただこの方式にしてからの難点は,BCD436HPのClosedCallで受信したものなどで表示が乱れることです。
なかなかうまくいかないものです。

(18/10/19追記)

BCD436HPの録音機能が他より優れている点で書いていないことがあったので,書きます。

BCD436HPはガッツリ録音しようという場合は,録音セットしないといけないのですが,そうでないときも短い間(設定で調整できますが概ね数分間)は常に録音しています。
設定した単位の時間内でずっと上書き録音している感じ。

これが地味に便利で,ちょっと聞き逃したときに助かるのです。コールサインとか。

常に録音してればいい話かもしれませんが,ずっと録音しているとそれを整理するのが大変なので,私は面白そうなものが流れているときや出先でしかガッツリ録音はしません。
そういうズボラな人にとって,この機能はとても便利です。

スキャンが速い

普通にスキャンが速いのでUHFエアバンドを探す時には便利です。
さっき言ったTemporaryAvoidを使えばパスしすぎて受信すべき周波数を逃すこともありませんしね。
んー,パスしすぎたかなと思ったときはいったん電源切ればいいだけですから。

(19/8/31追記)
ただこれもIC-R30と比べるとちょっと見劣りしますね。
IC-R30が速すぎるだけなんでしょうけど。

APCO-25がトランキングモードで受信できる

アメリカで一般的なデジタルモードAPCO-25が受信できます。
P25自体はAR-DV1とかでも受信できるんですけど,トランキングモードで受信しようと思ったらAR-DV1じゃ無理っす。

ただ,これを使っててかつ受信できるっていったら在日米軍くらいしかないのが悩みどころ。
しかも最近になって大部分が秘話化されてしまいましたし・・・・
日本の官公庁でも使われてはいるんですが,暗号化されているので受信は不可です。

LTRが受信できる

詳細はこちらで。

メモリネームの制限がゆるい

メモリネームも文字制限もゆるいのであまり気にせず設定できます。
当然日本語は無理ですけど。

System,Department,Channelそれぞれに名前をつけられていいのですが,受信機の表示がなぜか上から

Department
System
Channel

となっていて若干分かりにくいのが玉にきず。

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デメリット

VFOがない

国産受信機では当たり前のVFOモードがありません。
BCD436HPはとにかく周波数をメモリしてそれをスキャンするというのが本来の使い方みたいです。
VFO的なこともできなくはないんですが,慣れないと分かりにくいです。
やり方はこちら

スキャンの停止時間を設定できない

IC-R30などだとスキャンが止まった場合に,通話が終わっていなくても一定秒数が経過するとスキャンを強制再開するように設定できますが,BCD436HPにはそれがありません。

そんな機能いるのかと思われるかもしれませんし,自分も今まではそう思っていました。

しかし外出時にバッグの中などへ受信機を放り込んで外出時は録音のみ,という使い方をしているとこの機能が意外と貴重です。

この機能がないとノイズや無駄話などでスキャンが止まるとそれらが消えない限りスキャンが再開しないという恐ろしいことになってしまいます。
スキャンが止まっていないかこまめにチェックすればいいのでしょうが,面倒ですしねえ。

よく分からない機能がけっこうある

資料が少ないので,未だに分からない機能があります。
最近になってようやくLEDの点灯について理解できたり。

マニュアル読んでもサラッとしか書いてないことも多く,余計にわけがわからんです。
P25やLTRの受信法も,今やっているやり方が本当の正解なのかどうか未だに自信がありません。

一応マニュアルを地味に和訳しているので,よかったらこちらもどうぞ。

録音状態が分かりにくい

IC-R30と比べて最近思い始めたのですが,録音しているかどうかが分かりにくいです。
というのも,録音待機中の場合何も表示がないんですね。

録音中は右下にちっちゃく「REC」の文字は出ますが分かりにくい。
録音しているだろうと思っていて録音されていなかったことが何度かあります。
この点IC-R30は録音待機中も表示が出るのでわかりやすいです。

電源を切ると録音モードも解除されるのが地味に痛いです。
TemporaryAvoidしたものを解除するために電源を入切することがありますが,このとき再度録音モードにしてやらないといけません。
これをついつい忘れてしまう・・・

使いながら充電ができない

単三電池が使えるので致命的ではないのですが,地味にけっこう不便です。
充電するには電源を切らなくてはならないという。

日本的な機能には一切対応していない

空線信号キャンセラとか音声反転秘話とかには一切対応していません。
秘話関係についてはアメリカは厳しいみたいで,デジタルについては秘話がかかっているとケロケロ音さえ出ず何もないかのごとくスルーされます。

逆トーンを動作させたときが今ひとつ(18/11/24追記)

CTCSSやDCSを瞬時に表示できる機能は先に述べたとおりなのですが,普通の動作以外に反転動作も可能です。
当該CTCSSやDCSを受信したときはスキャンを止めないという動作。

今ではほとんど使っているところはなくなりましたが,わずかに残った常時キャリアが出ているアナログタクシーや東京の空港リムジンバスなんかが使っており,そういったものを聞くときにはこの機能は必須です。

この機能ってもう一つ使い道があって,簡易無線など一つの周波数を複数で共用するタイプの場合,特定の無線局だけスキップすることができます。
延々と無駄話をする局とか,通話が多すぎるなどでもう聞きたくない局とかがあれば,そのCTCSSやDCSを逆動作でメモリーすれば,それだけスルーできるという素晴らしい仕様。

ただ,ここでBCD436HPが残念なのは,その動作をさせると,他のものを受信したときに,それのCTCSSやDCSが表示されません。
この逆動作をさせつつ,新たに受信したもののCTCSSやDCSも表示してくれるとさらによいのですが・・・

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その他

使ったことはないけど良さそうな機能

Location

オプションのGPSアンテナをつなぐと,指定した位置から半径または四角形の指定範囲内でスキャンするか否かを自動的に判別する仕組みがあるみたいです。
よく移動する人だと,これを使えばよその地方に行ってもメモリバンクを変更せず自動的に近い局だけスキャンしてくれるということです。

Tone-Out

トーンの組み合わせが合致した時だけスケルチが開いてアラームが鳴るようにできる機能です。
アナログ消防無線とかでよくあった注意喚起音などに応用できたみたいです。

が,残念ながらその機能に気づく前に消防無線がデジタル化したのでこの機能は使ったことがありません。
使いこなしてたら便利だったろうなあと思いますが,消防なき今,注意喚起音流す無線局ってあんまりありませんよね。

使えそうで使えない,使いこなせていない機能

DMR,NXDN

アップグレードしたら受信できるようにはなります。
が,今のところこのモードで受信できるのは一般業務のDMRとごくごく一部のDCRです。

詳しくは↓下記記事参照。

京都府内で使われているデジタルの地域振興用無線を受信してみたところ,DMRのトランキング機能も使えました。

まとめ

現在UnidenからはこのBCD436HPがマイナーアップグレードしたようなSDS100というスキャナが発売されています。

SDS100 True I/Q™ Digital Handheld Scanner
Uniden creates another first with the SDS100 True I/Q Scanner and digital TrunkTracker communications receiver. Receiver incorporates the HomePatrol database of...

が,基本的な性能は変わってないみたいなので私は買っていません。

逆にいえばBCD436HP型落ちになってしまったので,以前より安く手に入るようです。

私はSDS100よりは同性能の車載器BCD536HPの方が欲しいです。

HomePatrol Series Scanner with Wi-Fi
The BCD536HP continues Uniden's tradition of leading innovation. HomePatrol Programming makes it the easiest-to-program mobile professional scanner we've ever m...

このようにBCD436HPはクセは強いんですが,一回使ったら手放せない機能がいくつかあります。国内ではあまり人気がありませんが,もっと評価されるべき受信機です。
BCD436HPのよいところと国産受信機のよいところが合わさったら最強なんですが。

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